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2005/05/22

松森清掃工場の事故についてご報告

 仙台市が新しく建設していた松森清掃工場(日処理能力200トン×3炉)が、三菱重工から引きわたしを受ける直前3月31日に事故を起こし、1号炉がストップしていましたが、5月13日になって「3号炉でも同様の事故が起こっていた可能性が大きい」として2、3号炉を緊急停止し全炉ストップの事態となっています。日本共産党仙台市議団は、16日現地調査を行ないコメントを発表しています。

 20日には、仙台市議会経済環境委員会が開かれ協議会の場で当局から説明があり長時間の質疑が行なわれました。やっと、事故の様子が明らかになってきました。以下、私なりに理解している内容について報告します。

 仙台市から経過についての文書が、HP上に発表されています。これまで、3月31日に1号炉での煤塵濃度が急上昇したために1号炉をストップした。2・3号炉は問題なし。としていました。煤塵は、1号炉の触媒反応搭内で触媒が焼損したことによることが明らかになりました。他の炉は大丈夫だったか?検討した際、2・3号炉とも煤塵濃度計の記録では、ともにゼロであることから「大丈夫」と発表し、2・3号炉は「試運転」を続けていました。
 ところが、3号炉を立ち上げた時点では、3号炉の煤塵濃度計がOFFになっていたことが、5月13日になってわかったために、2・3号炉の触媒の様子を直接調べて見ることになりました。

05scan0002  左の画像をクリックして、大きく表示して見てください。1号炉から3号炉までの触媒の様子が一番入口に当たる1段目と次の2段目について比較して見ることができます。
 1号炉の方は、完全に焼け落ちてしまっています。2号炉は、ほとんど変形が見られませんが、3号炉では、煤塵が付着している様子や、碁盤の目状の配列が変形しているのがうかがえます。

05scan0001 次に、左の図を大きく表示して見てください。松森清掃工場のフローシートです。仕組みとしては、ストーカー炉と言われる一般的な形式です。ダイオキシン対策のため、ろ過集塵器(バグフィルター)に加えて、触媒反応搭を備えているのが特徴です。国基準の0.1ngよりさらにきびしい0.01ngをクリアできるとの売り込みでした。

左から、ゴミが投入され炎の絵がかかれているところで燃やされます。その後、燃焼したガスはボイラーを通ることで温度が下げられ(熱を蒸気発生に利用して)、ろ過集塵器を通過します。ろ過集塵器は、単純に言えば布で濾すわけで、ダイオキシンを含むススがここで捉えられます。普通は、ここでそのまま外部に放出されますが、触媒反応搭を通ることでNOxの除去とダイオキシンの分解が行なわれるという仕組みです。

さて、今回の事故(3月31日)には、その原因となる事故が3月28日に起こっていました。
図の右上の方にある蒸気系で、バルブ操作のミスで蒸気タービンに高圧の蒸気が送られたため、それを保護する役割の安全弁(大気放出板)が吹っ飛びました。3炉の焼却炉がありますが、蒸気系は共用しているので3炉全てを緊急停止させました。通常の停止の場合は、炉の中のゴミは焼ききってから止めるのですが、緊急停止なので、炉の中には焼ききれないゴミが残ったまま、くすぶっているような状態(埋火状態)でした。

大気放出板は、いざと言うときに自ら壊れて、システムを守るわけですから、予備を備えておくことは当然です。しかし、それまでの工事中にこの部品を壊してしまい、予備を使っていました。補充されていなかったために、通常なら、28日のような事故が起こっても、部品交換のための数時間で復旧できたものが、結局あう部品が台湾にあるのが見つかって空輸されてくるまでの38時間復旧にかかってしまいました。2号炉、3号炉、1号炉の順で起動させたので、1号炉では65時間が経過していました。

このとき、炉の中では、埋火状態が続きいわゆる、不完全燃焼で未燃化ガス(炭化水素ガス)が発生し、バグフィルタをガスなので通過して、ろ過反応搭に入っていきました。すると、触媒物質に炭化水素が吸着し、蓄積されていきます。この時間がながいほど、蓄積は多くなりますが、一番遅くまで埋火状態が続いた1号炉では、さらに蓄積を増やしてしまう操作が行なわれていました。

05scan0003 左の図をよくみていただくと、3炉共緊急停止していた時、2・3号炉の分の未燃化ガスも1号炉に引っ張ってきて1号炉の触媒反応搭を通っていたことがわかります。

30日に2号炉の再起動を行ないましたが、12時間かけてゆっくりと温度を上昇させています。(2号炉は触媒搭に異常なしのようです)
 ところが、31日の3号炉、1号炉の時は、約3時間で温度上昇をさせました。このため、炭化水素が蓄積されていた触媒物質が急激な酸化反応(燃焼)した結果、大量のススが煙突から出たと考えられます。

 私は、20日の委員会で、これら一連の操作や判断は、「未燃化ガスが触媒物質に吸着・蓄積する」という認識が仙台市にはもちろん、設計・運転マニュアルをつくる三菱重工の側にもなかったとしか考えられないと指摘しました。高橋環境局次長も「三菱重工にも認識がなかった」と認めました。新しい装置と売り込む上で、このような認識もないのでは、大変不安な設備だといえます。この問題だけ、改善の手当をしても「ほかにも、認識していないで事故につながることがあるのではないか」と不安になります。

 また、「埋火状態の時や、触媒物質が燃えた時に、ダイオキシンは放出されなかったのか」と質しました。当局は、「埋火状態の時、炉の中では不完全燃焼のためダイオキシンが発生する濃度が高いが、総量は少なくバグフィルタで補足されて放出はない。」「しかし、触媒が燃えたときダイオキシンが発生するかどうかは、市にも三菱にも知見がない。」と述べ、事実上放出の可能性を認めました。

 松森清掃工場の建設に反対する住民が、年に数回ダイオキシンを測定するのではなく、連続的に試料を採取して測定を行なう装置をすくなくともつけてほしいと要望し、裁判も起こされています。今回のような事故が起こったとき、実際にダイオキシンが放出されたのかどうか、わからないでは済まされません。やはり、連続試料採取装置は最低限必要だと強く指摘をしました。

 松森工場がストップしたことで、毎日市からでるゴミ1100トンに対し、処理能力は780トンしかありません。各清掃工場のゴミをためておくピットも、6月10日には満杯になりゴミがあふれる事態が迫っています。ゴミ処理計画の当面の手立てとともに、緊急事態だからこそ徹底した分別とゴミ減量への協力を市民に求める事態ではないでしょうか。それにつけても、市民に対する事態の報告はあまりにも不十分です。市民の反対の声に抗して建設を強行してきた、これまでの経緯をみれば、藤井市長が自ら市民への説明を行なうことが急がれると思います。

 細かいところは省略し、情報伝達の問題なども省いたのですが、長くなりました。ご質問などありましたら、私に答えられるものはお答えします。コメント欄にでも書き込みください。

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