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2005/11/29

「小さな政府」論のねらいは?

 昨日は、仙台市議会の臨時議会。市職員の給与引き下げの議案が出され、私は代表質問を行いました。

 「小さな政府」論が横行していますが、国や自治体が本来果たすべき役割をどんどん投げ捨ててきた結果、耐震強度偽装がはびこったりします。公務員攻撃は、民間の給与引き下げを進めてきた人たちによってなされています。国民を分断・対立させながらの支配に抗して、賃下げの悪循環にストップをかけ、サービスの向上を求める力をあわせた取り組みが必要です。そのためにも、「財政危機」の原因は、大型公共事業、アメリカ・財界いいなりの政治であることを、国民共通の理解にしていくことが大切だとおもいます。

 代表質疑の内容は 《続き》をお読みください。

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平成17年度仙台市議会第1回臨時会 代表質疑                                 *                          2005.11.28  by花木 則彰

 私は、日本共産党市議団を代表して、第133号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例に関して質疑を行います。仙台市職員の平均年間給与額は、2年前に五年連続、過去最大の引き下げを行なったこともあり、4年前と比べて、平均年齢が1.6才も上がったにもかかわらず、年間給与は2万7千円も引き下げられた水準となっています。これ以上、引き下げる理由はどこにも見当たりません。
 第133号議案のとおり実行すると、月例給を0.3%下げ、勤勉手当を0.05ヶ月分上げ、平均年間給与は六百六十万七千円から六百六十万五千円へと、2000円、率にして〇・〇三%減少します。公務員の労働の対価としてふさわしい給与水準はどうなのか、市職員の生活実態から必要な給与となっているのか、など本来検討しなければならない事柄について、理由を説明すべきではないでしょうか。

 「公務員の給料は高すぎる」このような宣伝がテレビ・新聞からあふれ、多くの市民にも影響を与えています。誰によって、世論操作がなされているでしょうか。国や自治体の財政を破壊してきた張本人が、宣伝していないでしょうか。民間で働く国民を正規雇用から不安定雇用におとしめて急速な貧困化をつくりだしてきた財界・大企業が先頭に立っていないでしょうか。 仙台市の職員の年間平均給与が4年前と比べて下がっているのに、なおかつ、民間の年間平均給与より高いとすれば、それは、4年の間に市民の給与がそれだけ大きく減らされているわけです。この問題に、正面から取り組むことこそ、市民生活を守る自治体として真っ先に求められていることです。政府や財界の国民分断政策と対決して、民間労働者と公務労働者、正規雇用されている人と派遣やパートなど不安定雇用の人、労働者と中小零細事業者をふくむ勤労市民、高齢者と現役世代、青年・子育て世代と中堅世代が、力を合わせて解決の方向を見据えていくことが必要です。

 実際、規制緩和万能、市場原理主義、弱肉強食の経済路線は、日本の経済と社会を「貧困」の淵に落としこめています。いわゆる低所得層が増大しています。生活保護世帯は全国で100万世帯を突破、仙台市でも昨年度6708世帯、総世帯の1.52%に及んでいます。生活保護に準じる水準の市民はさらに顕著な増加と思われます。教育扶助・就学援助を受けている児童・生徒の割合は、全国で10年間に2倍以上増え、12.8%ですから、そのおおよその数がわかります。仙台市での割合は昨年度6.9%です。貯蓄ゼロの世帯も急増しており全国で23.8%です。教育も医療も福祉もサービス利用しようとすれば自己負担が求められるが、そのお金がない市民が急速に増えています。こういう事態を打破することが市長の仕事です。今回の提案は、逆にこの現実を、悪い方向で加速させるものです。いかがでしょうか伺います。

 国は公務員の総人件費について、定員の大幅純減と給与制度改革で大胆な削減をするという「総人件費改革基本指針」を11月14日経済財政諮問会議で決定しました。諮問会議では奥田トヨタ会長、牛尾ウシオ電機会長ら4人の民間議員が主導して、5年間で国家公務員数を5%純減、10年間で総人件費をGDP比(国内総生産比)で半分に減らすという「数値目標」まで決めています。

 市長は十分ご存知のように、日本は国と地方自治体の公務員を合わせても決して多い「大きな政府」ではありません。人口千人あたりの公的部門の職員数は、フランス96人、イギリス73人、アメリカも軍人・国防を除いても73人います。日本はその半分以下35人となっています。かかっている総人件費もGDP比で主要国中最低となっています。また、国家公務員を減らすと言いますが、現在の国家公務員は全体で61万5000人。そのうち自衛官が25万2000人、防衛庁職員が2万4000人で約4割を占めています。この部分は「減らさず」、国民向けサービスに直結する教育や福祉、中小企業を支える分野で公務員を減らそうとしています。

 首都圏を中心に建築士が耐震強度を偽装した構造計算書をつくり、建築確認を代行する民間の指定確認検査機関がそのままパスさせて社会的大問題になっています。市民が安心して生活を送る上で、建物の信頼性を確保することがいかに大切かは強調するまでもありません。信頼性確保に建築確認行政が果たしてきた役割は大変大きなものがあると思います。そして、建築基準法の改悪で、民間でも建築確認を出せるようにした結果、今回のような事件を生んでしまいました。安全・安心をコストや効率で犠牲にしてはなりません。先日の都市整備建設委員会では、現在市内の建築確認の約8割が民間の検査機関で出されており、首都圏で問題があった2つの民間指定確認検査機関が仙台市域で去年と今年、合わせて494件の建築確認を出していたことも明らかになりました。仙台市民の安全・安心も危機にさらされています。公務員をつぎつぎ削減し、民間にまかせていくことが、国民・市民にとってどんな結末をもたらすのかを端的にしめしていると考えます。民間の検査機関が建築確認をだした後に、市に提出する「建築計画概要書」だけでは耐震性を再計算できないことがわかりました。大切なことは「市に直接構造計算書などが提出されていれば偽装は見破ることができた」との当局の答弁です。公務員がやるべき仕事をきちんと果たせるようにしていくべきです。公務員削減の姿勢では、必要な技術的能力の継承もはかれなくなります。市長に伺います。

 さて、今年の人事院勧告では、「勤務実績」や地域によって格差をつける「給与構造改革」を来年から五年間で実施するよう求めました。職員を勤務実績が「極めて良好」「良好でない」など区分し昇給に差をつける、同じ国家公務員でも勤務地の民間給与に合わせて大幅な地域格差をつける、というものです。これは、民間と公務員の賃金引下げのスパイラルをいっそう加速するものでしかありません。仙台市の人事委員会の報告・勧告では、給与制度の見直しについて、「必要性がある」としながらも、人事管理全般のあり方も含めた総合的な検討が必要との慎重な内容となっています。市としても、国の誤った方針に踊らされることなく慎重な対応をもとめますがいかがでしょうか。

 そもそも公務員は労働基本権を制約されており、その代償機能として人事院、人事委員会の役割があるとされてきました。労働条件の向上ための制度でなければなりません。歴史的には公務員の給与水準よりも一貫して高かった民間の給与水準に追いつくことを目指した制度であり方法です。財界・大企業と政府がむすびついて、国民の暮らしを破壊する中で、先に述べたような民間給与の急速な引き下げが行なわれている現在、この制度がどういう意味を持つのか、本来十分な議論と合意が国民の中でも労使間でも必要ではないでしょうか。事実上の一方的な賃下げの押しつけ、労働条件の改悪を押しつける役割を人事委員会に果たさせていることに問題があります。

 今回はそれに加えて、格差0.03%というのが、本当に「格差」と言うべきものなのか疑問でなりません。年間平均給与660万円余に対して、2000円の「格差」。どちらかと言えば、比較の結果「有意の差は認められなかった」というべきものではないでしょうか。人事委員会は、計算してその結果を報告するだけではなく、公正な立場で公務労働者の権利を勘案しつつ評価し勧告を行なうのが本来の仕事です。評価をし、今回は勧告を見送るべきだと考えますが、人事委員会委員長にお聞きいたします。

 勧告を受けた市長も、人事委員会の報告を受け止めた上で、諸々の事柄も勘案し提案すべきです。今回の提案は、市民の立場から見ても大変無駄な「お役所仕事」の典型にうつっていると思います。年間2000円の引き下げを行なうための、行政的な経費を考えたとき、本年度内での変更は見送る決断はなかったのか伺います。

 私たち日本共産党は、小泉政権の「小さな政府」論の横行で、国民の生活と安全、地域経済も大きく破壊されている状況のもと、公務労働の役割をしっかり評価する立場からも、国民全体の所得の向上を目指す立場からも、このような賃金抑制政策はやめるべきだと考えていることを申し述べて、私の第一問とします。ご清聴ありがとうございました。

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