無料ブログはココログ

« よかった!荒川静香選手トリノ金メダル  | トップページ | ちっちゃなマークが大問題!PSE »

2006/03/04

梅原新市長に与党からも苦言相次ぐ

060157  2月16日から始まった、仙台市議会2006年第1回定例会も、ようやく半分が過ぎました。今回の議会の特徴は、昨年7月の選挙で新しく仙台市長となった梅原氏に、与党を初めベテラン議員から次々と苦言が呈されていることです。3月2日からの予算特別委員会も初日から「まるで総括質疑のよう」と報道されるくらい、市政運営のあり方について注文が相次ぎました。

 仙台市議会では、日本共産党以外は与党のはずですが、まさに異常事態です。私たちは、何が批判されるべきなのか、よりいっそう論点を明確にしなければならないと感じています。

 私は、2月23日日本共産党市議団を代表しての質疑を行いました。
 そのポイントは、現在の市民の状況から、仙台市は市民の暮らしを守る仕事に力を集中すべきだということ、アメリカの起こす戦争に国民を巻き込む「国民保護法」に基づく仙台市の国民保護計画は作るべきでない、を中心に議論しました。

 市政の主人公は市民だとの立場から、市民の声をしっかり聞き生かす市政とは、相当かけ離れた市長の認識であることがわかりました。
 代表質疑の原稿を「続きを読む」に掲載します。(長文)
 代表質疑と市長答弁の様子は、市議会の中継録画で見られます。

仙台市議会

 2006年第1回定例会代表質疑

2006.2.23 日本共産党仙台市議団 花木 則彰

困難と不安を抱える市民に光をあて、

暮らしを守る仕事に力を集中する市政に

市民の安全に役立たない

「国民保護計画」は作らない判断を

「福祉灯油」の求めにも応えない市政でいいのか

今年の冬は、例年になく寒さがきつく灯油など石油製品の値上がりが市民生活に大きな影響を与えています。昨年11月に、市民団体から、18Lで1200円を越える灯油高騰から低所得者、生活保護受給者、高齢者をまもるため「福祉灯油」を考えてほしいとの要望が市長に出されました。これに対して市は「市独自に生活保護世帯に対して、灯油の値上がり分を支給することは困難。これに準じる世帯に対しても支給することは困難」とにべもなく拒否しました。市との話し合いの中では、対応した担当者は、自ら「少しでも安い灯油を求めて捜し歩く」という話をされました。それを聞いた参加者からは、遠くまで灯油を買いに出かけられない高齢者などに安い灯油をあっせんすることを提案しましたが、それにも応えませんでした。その後も、寒波がつづき、石油がさらに高騰しています。宮城県内の最新の灯油価格は配達18Lで1470円と報道されています。昨年の同時期が1039円、一昨年は852円でしたから2年前の1.7倍、昨年の1.4倍という大変な値上がりです。こんなになっても、市は全く動こうとしません。これでいいのでしょうか。

市長は施政方針で「市民誰もが幸せを実感でき・・・る都市」が目標、「弱い立場にいる人々に対する温かいいたわりの心を持つことが、都市の安定と強さを将来に亘り保証する鍵」と述べましたが、これは言葉だけでしょうか。

「格差社会」「貧困層の拡大」の現実を見て

この間、「格差社会」「貧困層の拡大」が大きな社会的話題になっています。ほんの一握りの「勝ち組み」に対し、圧倒的多数の庶民は「負け組み」にされ、「これまで、当たり前だと思っていたことが続けられなくなる」不安、立っている地面が足元から崩れ去るような不安にさいなまれています。庶民を不安に陥れてきた元凶(げんきょう)が、小泉内閣の「官から民へ」「小さな政府」という「規制緩和万能」論の構造改革であったことは、もはや誰もが指摘するようになりました。

 階層格差が増大していることを示すいくつかの指標があります。貯蓄ゼロの世帯が急増し日銀の調査でも2000年には12.4%でしたが2005年は23.8%と5年間で倍増しました。

生活保護基準以下で暮らす勤労者世帯の増加が特徴となっています。妻が30才から44才で夫婦と子ども一人の世帯は、全国で約600万世帯あります。いわゆる子育て真っ最中の世代です。このうち、年収500万円未満は97年には146万世帯24.5%でしたが、5年後の02年には188万世帯30.9%となりました。約22%が生活保護基準以下となる試算です。同世代の勤労母子世帯をくわえると比率はさらに上がって27%になります。まともに暮らせる給与が保障されなくなっている現れです。

就学援助を受けている子どもの数は、全国で97年度78万人でしたが、2004年度は134万人と倍になっています。仙台でも同じ7年間で倍増し2004年度5656人になりました。東京都足立区では、就学援助を受けている子どもの割合が42.5%となっています。小学校6年生の授業で3分の1の児童が「将来の夢」について作文を書くことが出来なかったと言います。

若者は、結婚も出来ない、子どももつくれない経済状況に追い込まれています。国の就業構造基本調査、労働力調査によっても、15歳から24歳の正規に雇用されている人は、97年の549万人から05年には271万人と約半分に減っています。正規雇用の若者も、給与水準が下がり、長時間労働が常態化しています。パート、派遣などの非正規雇用の割合が増え、そこでの労働条件の悪化は深刻です。なぜこういう事態に至ったのか、経済産業省出身の市長ならば、「若者に自覚が足りないから」でないことは十分ご承知のはずです。大企業を中心とするリストラを政府が応援し、派遣労働などの「規制緩和」を進めたからです。だから今、学校を終えた若者のうち、非正規雇用者と失業者、そして、いわゆる無業者と言われる若者を合わせた比率が、男性で44.7%、女性は子育て中の無業の人を除いても52.5%にもなり、社会を支える構成員として力を発揮できなくなっているのです。

ところが、梅原市長はこうした「格差が広がっている」「市民が不安を抱いている」現実をあえて無視しているように見えます。市民の「元気」について述べた最初に、「市民による自助を基本に」と言っています。「自立自助」「自己責任」を国民に迫り、公的な役割を後退させてきた政治のあり方を変えようとする姿勢は全く見られません。若者の雇用に至っては、「看過できない」として若者に注文を付け「自立、自覚、勤労観、職業観」を持たせる、「家庭」に働きかけるとしています。

市長には、政治を変える責任がある

政府は、庶民への大増税と医療・介護・福祉での大幅な負担増をもくろんでいます。市民は、現在と将来の生活に大きな不安を抱えています。市長は、こうした困難を抱える市民に光を当て、不安をいだかせる政治を変え、実行する責任と役割があると考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

暮らしを守る予算は削減、開発型予算は増額の来年度予算

今回の予算案を見ると、私たちが心配していたとおり、市民の暮らしにかかわる施策がことごとく削減の対象となっていることに驚きます。健康福祉費では、民間社会福祉施設等整備費補助金 制度廃止で300万円、身体障害者コミュニケーション支援 PC助成廃止で200万円、心身障害者通所援護施設整備費補助 上限額引き下げで200万円、精神障がい者小規模作業所整備費補助 上限額引下げで200万円、リフト付き自動車運行助成 金額引下げで 821万円、ボランティア団体等支援育成事業 補助上限額引下げで345万円、高齢者住宅整備資金利子補給 新規受付廃止で 573万円、青少年健全育成・こども会育成 社会参加活動補助金廃止 160万円など、予算額は小さいけれど、これによって救われている市民にとって大事な施策が削られています。ここまで合わせても削減金額は約2800万円です。私立保育所施設整備補助 補助率引下げによる、2780万円の削減、特養ホーム建設費助成の補助率引下げ、単価見直しでの 23573万円の削減などは、保育所も特別養護老人ホームもまだまだ不足している中で、削るべきではありません。

 こう言った健康福祉分野での約3億円の削減額と比べて、都市整備費では、市街地再開発事業費、土地区画整理事業推進費の2つで、今年度よりも137000万円の増額予算となっています。この分野で、もし前年並みに予算を押さえれば、健康福祉分野での削減はしなくてもよかったということになります。例えば、あすと長町地区整備関連の予算だけで、来年度約94億円にのぼります。仙台港背後地土地区画整理事業への支出も約13億円。東西線本体工事を除く関連事業で約61億円。都市改造事業特別会計では、市債管理基金からの10億円余の借り入れでアエルビルへの事実上の赤字補填が続けられます。大型プロジェクト中心に桁違いの税金の使い方が、ますますひどくなっていると感じます。

 地下鉄東西線の本体工事は企業会計ですが、来年度84億円の予算額となっています。2007年度から2013年度までの6年間で379億円の支出を予定する債務負担行為も議題となっています。毎年60億円以上の支出になります。市は、その半分は地方交付税交付金で国からお金が入ると言っていますが、「三位一体改革」「第2期構造改革」で地方交付金は大きな削減攻撃が準備されています。市の計算どおりに入る保証は全くありません。

一方で、市民向けサービスを削りながら、こういった大型プロジェクトにはどんどん税金を当てていくことで、よいのでしょうか。従来市は、東西線建設について、他の事業には一切迷惑をかけないと説明をしてきました。今回の予算案を見ると、これまでの説明に反しています。多くの市民が、地下鉄東西線推進に不安を抱くのは当然です。市民の暮らしのための予算を削ることをやめて、市民の暮らしを守る仕事に、集中した取り組みをすべきです。いかがでしょうか。重ねて伺います。

来年度以降の新「行財政集中改革計画」では

 私がこうした心配をくりかえし指摘するのは、来年度以降の新「行財政集中改革計画」の中では、市民の願いとは矛盾した逆行的な見直しが次々と強行されようとしているからです。BSE問題など食の安全を保障する検査体制の充実、アスベスト問題での検査業務が求められているときに、衛生研究所の検査業務見直しが掲げられています。待機児童が解消されず、子育て支援策ももっと充実が求められているときに、公立保育所・幼稚園がやり玉に挙げられようとしています。医師不足で地域医療の維持が大きな問題になっていますが、看護師も充足していません。それこそ伝統ある市立の看護専門学校をどうして廃止検討するのでしょうか。市民の憩いの場、地域の団体の活動をささえる施設となっている茂庭荘まで廃止しようとしています。図書館に指定管理者を導入すれば、本来の公共的機能が失われてしまいます。敬老乗車証の自己負担増、乳幼児医療費助成にも自己負担を持ち込もうとしています。そして、児童クラブや、ゴミ収集の有料化など一方的な市民負担増の押し付けは行なうべきではありません。男女共同参画推進事業や、市民センター事業の後退も問題になっています。

市は2007年度から2009年度までの3年間で770億円を越える歳入不足が生まれると試算しています。そのため490億円の歳出カットを計画しています。市の財政難の原因は、政府の経済政策の失敗で、市税収入がピーク時より300億円減ったことと、国からのお金が毎年100億円余りも減らされてその影響が累積してきたこと、さらに公共事業費によって7000億円の借金をかかえており返済のための公債費が来年度600億円と、市税収入の36%、一般財源の22%にもなっていることにあります。公共事業でのPFI手法導入は借金を将来に付け回しするものであり、やめるべきです。公共事業は、生活道路や下水道、市民利用施設など生活密着型のものに思い切って特化し、地域経済の活性化に役立つよう事業と方法を厳選してすすめるべきです。市民サービスをただ削るやり方は行うべきでありません。いかがでしょうか。伺います。

「梅原新市長の男女共同参画に関する理解が

極めて乏しいことがあるのではないか」と市民の声

特に男女平等の施策を、行政改革で切り捨ての対象とすることに、市民からの大きな反対の声があがっています。市は、男女共同参画せんだいプラン推進事業費は、事業見直しを行なうということで今年度708万円から来年度予算では478万円へ32.5%も減額しています。そのうえエル・パーク仙台を廃止検討する課題にあげています。これらの背景に「梅原新市長の男女共同参画に関する理解が極めて乏しいことがあるのではないか」という市民からの当惑の声が私たちにもたくさん寄せられています。「男女共同参画せんだいプラン2004」は「仙台市男女共同参画推進条例」に基づく初めての計画として、市民と委員の方々の努力と叡智でつくられました。市民協働型の成果です。まだ始まったばかりのプランの推進について、プランをつくった審議会や市民に相談もしないで、予算切り捨てを行なう乱暴な市の対応は、市民との協働に水を注すものとして批判されて当然です。

エル・パーク問題では、男女共同参画審議会でも、また行政改革推進会議でも異論が続出しました。市の中心部にエル・パークとエル・ソーラの2館体制となったのは、従来太白区に計画されていた女性センター建設を財政難のため、アエルビルの中に賃貸で入ることにしたものです。中心部に2館がおかしいというなら、元の計画どおり独自施設を整備するのが筋です。条例でうたう「男女共同参画のまち仙台」をつくる事業を発展させることが必要です。事業推進のための拠点となる2館体制を維持すべきです。市民との協働できめたことはしっかり実施すべきだと考えますが、いかがでしょうか、うかがいます。

「文化教養講座」は市民センターの本業、なぜ予算削る

関連して市民費で、市民センター事業費が4900万円から3000万へ38.8%減額されています。その理由は、「文化教養型講座は市民センターの企画としてふさわしくない」との考えだと聞きました。市民センターは、中学校区に一つ整備する計画でつくられてきました。社会教育法に基づく公民館事業を行なう施設でもあります。公民館の目的に「実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業」を行なうと定められています。単なる貸館事業ではなく「文化教養講座」は本業と言ってもよいものです。事業費削減の理由は的外れです。今「仙台学」をはじめ、地域社会を見直す社会教育的活動が注目されており、市民センターの事業の充実が求められています。施政方針で地域づくりの社会的基盤としての地域コミュニティーについて触れられていますが、地域課題解決のためだけにコミュニティーがあるわけではありません。市民センターなど施設が本当に地域の拠点となるためには文化・教養型の講座で、楽しくためになる集まりをどんどん行うことも必要です。地域課題を解決するリーダーも、文化・教養的な取り組みの中で生まれてくるのではないでしょうか。地域コミュニティーまで、「効率的に」つくろうとする姿勢はまちがっています。事業費削減を取りやめて、市民センターの充実を図るべきですが、いかがでしょうか。お答えください。

「農林業活性化」と施政方針、なぜ農林費14%減額

市長は、施政方針の中で「美しい田園風景や森林があってこそ本当の先進国たりうるとの認識の下、わが国全体の食料自給率の向上にも資するため、極めて重要な産業である農林業の活性化に取り組んでまいります」と述べられました。それにも関わらず、来年度の農林費は人件費を除いた事業費ベースで、約1億4000万円、率にして14.3%の減額が行なわれています。農林業の活性化は、すぐ効果が期待できるものではありません。継続的な努力が求められます。同じ経済費で、国際プロジェクト推進に9900万円が新たに計上され、産業立地促進事業費も今年度から約26500万円も増額されているのをみれば、農林業の大幅な減額の理由はありません。仙台市農業基本計画は来年度10年の計画期間の中間点を迎えます。目標の現在までの達成状況に照らしても、いっそうの取り組みの前進が必要であり、予算もきちんと確保すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

区役所の権限強化なら、予算枠を市総予算の2~3%程度付与すべき

 区役所の予算権限を拡大するとして、75億円余の予算が見込まれています。住民のための仕事をする第一線として重視されることは大切なことです。ただ、心配な点は、これまでも地域から出てくる要望の一部にしか応えてこなかった予算枠で仕事を預けられても、実際には権限の拡大にはつながらないことです。さらに、予算編成の際に、一律削減のシーリングがかけられれば、「予算を削る権限」を与えられたことになってしまうのではないでしょうか。区役所の役割強化のための措置であれば、当面、市の総予算の2%から3%は区役所予算として位置付けて財源を付与すべきだと考えますが、いかがでしょうか。御所見を伺います。

2学期制無理やり導入の弊害があらわれた

 教育費に関連して、伺います。先日の教育委員会で急遽、小中学校の授業日数について校長の判断で7日間伸ばして良い、その分夏冬の休みを短くするとの決定がなされました。二学期制の導入で、秋休みを設けたものの、結局授業日数が足らなくなったための措置だと考えます。市民との相談なしに、中央官僚の「実績」づくりに二学期制が利用され、二学期制をむりやり導入したことの弊害が現れたものではないでしょうか。教育当局も同じ思いでおられるのではないでしょうか、伺います。

介護保険制度改悪で市民は不安をつのらせている

 市民の大きな不安の一つが、介護保険制度の改悪です。市の第3期介護保険計画が策定されています。施設整備では、特別養護老人ホームの待機者が3665人もいるのに、特養ホームの整備計画は400床しかありません。介護老人保健施設も100床、ショートステイ160床や、認知症高齢者グループホーム270床を入れても、待機者解消にはほど遠い内容です。700床ある療養型介護病床群が今後廃止されると一体どういう状況になるか、関係者は心配しています。改めて、介護保険は自分でサービスを選べるはずではなかったのかと不満の声が出されています。

 居宅介護では、新しい段階区分で要支援1、要支援2の方は、介護給付としての訪問介護、訪問入浴、訪問看護などが受けられなくなります。「自分でできるようになる」ことを支援する予防給付に切り替えられ、サービス利用が抑制されます。予防給付しか受けられないこれらの方は、市内で約10000人、要介護認定者の約40%にもなります。

 昨年の10月には、ホテルコスト導入と食費の全額負担となり、施設入所者の月々の負担は3万数千円から10万円近く増えました。年金生活者の中には、入居を続けられないケースもあり深刻です。今回の計画では、市の介護保険料基準額は4117円に値上げされます。厚生労働省の全国平均の試算では、次の第4期には5100円、第5期には6000円になる見通しです。保険料区分が第5段階の人は1.5倍の保険料ですから、夫婦2人で第5期には月18000円、年間で216000円にもなります。こんな高い保険料を払って、受けるサービスさえ十分用意されない、これでいいのでしょうか。

 市民誰もが高齢期をいずれ迎えます。市民の安心のために、保険者としての市は独自施策も行なうべきではないでしょうか。自己負担となった食費分の補助を独自に行なっている自治体もあります。仙台市でも、入居施設の居住費や、通所施設も含めた食費について仙台市の独自軽減措置を求めますがいかがでしょうか、伺います。

市民の安全・安心にまったく役立たない「国民保護計画」はつくるべきでない

「安全・安心」は大切なキーワードです。安全・安心の角度から、国民保護協議会条例・国民保護対策本部条例について伺います。

この条例が通ると、協議会がつくられ数回の審議で仙台市の国民保護計画が策定されることになります。今後、国民保護計画について、議会で審議する機会はありません。どのような内容を考えているのか今議会でしっかりと議論しておく必要があります。

日本共産党は、有事関連法について「米軍の戦争に自衛隊と日本国民を総動員することを具体化するもの」であり、米軍への戦争支援を無制限に拡大する、自治体・公共施設を「軍事優先」で動員する、国民を戦争に強制動員する問題点があり、「憲法を幾重にも破壊する内容になっている」と指摘し反対しました。

国民保護法は、武力攻撃事態法など有事関連法の一環です。敵が海から上陸してくる「着上陸侵攻」、ゲリラや特殊部隊による攻撃、弾道ミサイルによる攻撃、航空機による攻撃の4つの類型を武力攻撃事態として想定しそれぞれへの対処を計画し、日頃から訓練するというものです。ゲリラやテロによる「緊急対処事態」にも、この計画は準用されます。「もしもの時のために避難計画は大切だ」と考える方がいるかもしれません。しかし、県の保護計画を見ても、100万人の仙台市民をはじめ200万人の県民の避難について、まったく想定・検討がされていません。「大都市の住民を実際に避難させる必要が生じた場合・・・知事は・・・避難の準備が整っている場合には、避難先地域への避難の指示を行い、それ以外の場合には、屋内への避難の指示を行なうとともに、その後の事態の推移に応じた国の・・・指示を待って対応するものとする。」と書かれています。100万人200万人が避難する先なんて準備できるはずありませんから、結局、近くの建物にいるように、その先のことは分からない、知事も判断しない、国の指示を待つというものです。これでは「避難計画」と呼べるものではありません。

武力攻撃事態を想定しての国民保護計画では、住民の避難や安全が最優先になりません。自衛隊やアメリカ軍は、住民の避難より「被害を最小に食い止めるために」と称して、「武力攻撃の排除」つまり敵への反撃を最大の任務だとします。東京都立川市が行った避難シミュレーションでは、自衛隊の反撃路を確保すると住民の避難路がなく、避難自体が不可能という結果になりました。鳥取県のシミュレーションでも、日本海から着上陸した敵から住民が岡山県側に避難しようとしても、主要な道路は自衛隊の反撃路となり使用できず、住民は山中を彷徨することになるとしています。このような計画を仙台市が作っても、市民の安全・安心には全く寄与しません。

地方自治体は政府が戦争に走る時ストップをかける役割、

憲法を守ることが住民にとっての安心

住民を戦争での危険から守る一番の保障は現在の憲法をしっかりと守ることです。武力攻撃事態法や国民保護法は、この憲法との関係でも重大な疑義を内包しています。

「武力攻撃事態に対処するため、国民の保護のため」ならば、憲法が保障している基本的人権や財産権、営業権、報道の自由などを著しく制限する内容が含まれています。戦争の遂行は、「公共の福祉」には当たりません。戦時体制を国民に日常的に意識させることに真の目的があるとも指摘されています。アメリカの起こす戦争への思想動員であり、自治体をそのために利用するものです。

また、地方自治体にその役割を強要することは憲法の原則の一つである地方自治とも相容れません。「政府の行為によってふたたび戦争の惨禍」を起こさないために、地方自治体には、住民に直接に奉仕する観点から、政府が戦争に走ろうとしてもその歯止めとなる役割があります。これこそが国民にとっての安心ではないでしょうか。国民の権利を制限する収容、徴用の行使を行う側に立つべきではありません。国民保護法でも、地方自治体に保護計画をつくるよう求めてはいますが、強制できないのは憲法上の制約からです。期限も定められていません。実際、沖縄県では、国民保護計画協議会の設置条例が継続審議になっています。国民保護の計画と言われても、沖縄戦での日本軍による住民犠牲の経験や、アメリカ軍の行動が読めないままどんな計画を作るのかという意見が相次ぎました。

仙台市の国民保護計画を、来年度中にどうしても急いで作らなければならない理由は、一つもありません。他都市の動向を見て必要かどうか判断すべきです。いかがでしょうか。

そして、役に立たない計画、戦争防止の地方自治体の役割を放棄する計画は、「作らない」判断を市長はすべきだと考えます。これにたいする市長のご見解は、いかがでしょうか。お答えください。

 県の計画を見ると、国の示したモデルをそのまま引き写した内容です。市は国民保護計画策定のための調査の委託費として今年度430万円の予算を計上し、257万円でシンクタンク系の業者に発注しました。成果物はまだこれからということですが、来年度予算にも同じく430万円が計上されています。ほとんど雛型どおりにつくるならば特段、このようなお金をかけた調査が必要とは思えません。他都市をみても同じような調査業務を、限られた業者に委託しており不当な利益を与えている疑いさえ持ってしまいます。仙台市の特殊性は、わざわざ外部に委託しなくても市が一番実情も含めてわかっているはずであり、無駄な予算として削るべきです。いかがでしょうか、伺います。

市長が引用した「最後の海軍大将」井上成美氏は、何を反省していたか

市長は、施政方針演説で最後の海軍大将 井上氏についてふれました。彼は戦後反省を込めて語った次の言葉でも有名です。「いまでも悔やまれるのは、共産党を治安維持法で押さえつけたことだ。いまのように自由にしておくべきではなかったか。そうすれば戦争が起きなかったのではあるまいか」と語っています

(「井上成美のすべて」著者生出寿ほか、新人物往来社1988.8.15

市長が引用されたように、井上氏は三国同盟阻止のために力を尽くされたと思いますが、残念ながら戦争を阻止することができませんでした。そして自らは、戦争をすすめる最前線に身をおくことになりました。彼が戦後この反省をするときに、日本共産党を押さえつけ、すなわち国民の自由を奪い、戦争反対の声を圧殺したことが戦争突入につながったと悔やんでいます。個人の努力だけでは不十分、国民世論こそが政治を動かす力だということを示しているのではないでしょうか。尊敬する井上氏の思いを生かすために、市長が行なうべきことは、市民の平和を求める声や運動を大切にし、「戦争に走ろうとする政府に歯止めをかける」自治体の役割をしっかり果たすことであると、私は考えます。

「無防備地域宣言」を積極的に活用することも重要な選択肢

住民の安全を第一に考える上で、国際法で示されている「無防備地域宣言」を積極的に活用することも重要な選択肢です。

1977年に採択された、ジュネーヴ諸条約第一追加議定書(第59条)に「無防備地域」に関する国際的な取り決めがなされています。日本政府は、2004年に有事関連法の成立と合わせて、この追加議定書を批准し、20052月発効しました。(批准国 161カ国2005年現在)

占領に抵抗しない地域には攻撃・砲撃を禁止する内容で、軍事目標・軍事施設が地域内にある場合でもそれが敵対的に使用されない場合は無防備地域として宣言できるとしています。宣言の主体は、市長・知事のような地方の文民的機関も含まれるという解釈で「紛争当事国の適当な当局」と規定されました。

 国民保護計画が想定するような事態、つまり敵が上陸してくるような事態となって、100万都市が戦場とされるようになれば、住民の生命や財産が甚大な被害を受けることはどんな計画をたてても避けられません。それよりも仙台市を戦場にしないために、「無防備地域宣言」を行なうことは、有効だと考えます。

核戦争になれば真っ先に標的とされる大都市が、核兵器廃絶にむけて力を合わせています。私たちはこれまでも、広島市、長崎市をはじめ、110カ国・地域の714都市でつくる平和市長会議のとりくみも紹介しながら、仙台市でも「非核平和都市宣言」を行なうよう提唱してきました。「非核平和都市宣言」に「無防備地域宣言」をあわせることによって、国際法に基づく根拠をもった宣言として、有効性を高めることができます。核兵器廃絶や平和の問題で積極的に取り組む仙台市の姿勢と、仙台市は戦場とならない安心感こそが、世界の人々が安心して仙台に観光やビジネスで訪れ、住まう大きな魅力になるのではないでしょうか。伺います。

現在の憲法を守り、戦争への道に歯止めをかける市長の意欲ある答弁を期待して、私の第一問とします。

ご清聴ありがとうございました。

成美

(

しげよし

)

|

« よかった!荒川静香選手トリノ金メダル  | トップページ | ちっちゃなマークが大問題!PSE »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/47498/8930606

この記事へのトラックバック一覧です: 梅原新市長に与党からも苦言相次ぐ:

« よかった!荒川静香選手トリノ金メダル  | トップページ | ちっちゃなマークが大問題!PSE »