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2008/04/20

道路や車について発想の転換が必要

08p0638  4/17に東京で運輸政策コロキウム(第90回)に参加してきました。財団法人運輸政策研究機構が主催する勉強会で、研究者をはじめ、国土交通省など政府機関の職員や、交通運輸企業、ゼネコン、商社などいろんな人たちが参加しています。

 今回のテーマは、イギリスでの地域交通、ヨーロッパでの公共交通で、興味があり参加しました。

 大変おもしろかったのは、ウィーン工科大ヘルマン・クノフラー教授(Prof. Hermann Knoflacher)の「都市交通はどうあるべきか-公共交通とマイカーの在り方」と題する報告でした。

08p0637  ヨーロッパでも全般的には、マイカーによる交通の量が増え、鉄道・バスなど公共交通の需要が減る傾向が続いていること、都市での交通渋滞などが解決できずにいることは、日本と同じです。ヘルマン教授は、その原因について、「常識」としてきたことを再検討するべきだと指摘しています。

 第一は、渋滞の原因についてです。「都市が発展して交通量が増えた、道路整備が追いついてないから」と考えがちですが、ヘルマン教授は全く違う根本原因を指摘します。それは、一人あたりの専有面積の違いです。
 徒歩、自転車、公共交通では一人あたりの専有面積はほぼ同じ。しかし、マイカーはその何倍もの面積を独り占めします。移動速度をUPすれば、さらに専有面積を広く取らなければなりません。限られた都市面積において、この違いが決定的だというわけです。
 都市の渋滞解消には、道路整備ではなく、マイカー規制が決定的に重要だとの主張につながるのだと思います。

 第二は、交通のスピードを上げると、人々は本当に幸福が増しているのか。という問いかけです。これまで、高い走行速度を獲得するために莫大な社会的投資を続けてきました。その理由は、時間の節約になるから。その時間をお金に換算して、「経済的効果」をはかったりもしてきました。
 でも、本当なの?という問いかけです。1955年と80年代までで走行速度は10倍。でも、一日に人々が、移動に費やす時間(旅行時間)は、ほぼ同じ。という調査結果があったそうです。都市の渋滞や、長距離通勤で逆に伸びている状況です。
 スピードが上がって、移動距離は延びました。遠くのお店に買い物に行ける、遠くの職場に働きに行けるようになりました。でも徒歩で行ける範囲では、生活できなくなった。
 温暖化や消費エネルギーの節約の面からも大切な視点だと感じました。

 第三は、徒歩のスピードを基盤に長年作られてきた、人間の思考、文化自体が、自動車のスピードの基盤にかえられている問題を指摘しています。公共交通が需要を増していくためにも、マイカー中心の物理的環境を、意識的に変える必要を説いていました。
 たとえば、駐車場を自宅の敷地内やすぐ近くに置くことを規制して、バス停がある程度(450mくらい)離すことを提案していました。

 道路特定財源や、道路の長期計画の大本になっている考え方への、疑問、見直しの提起であり、現代的な意味をもっていると感心しながら帰ってきました。前半の中野宏幸氏による「イギリス地域交通戦略に関するガバナンスの構造」は、ロンドンでバスなど公共交通の需要がUPしたことと、地方自治の制度が変わったこととの関連についての研究でした。本も買ってきたので、総合的な交通政策をつくり、調整していくことの大切さを、政治との関係で勉強してみたいと思います。

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