農業・林業振興がしっかりしてこそ環境産業への挑戦ができる 岩手県葛巻町視察
11/18・19の両日,日本共産党仙台市議団で岩手県葛巻町と岩手県児童館「こどもの森」の視察に行ってきました。
葛巻町は,風力発電で電力自給率が100%を超えた・・・など,さまざまなエコ産業,循環型のとりくみに挑戦していると注目されている自治体です。国の補助金狙いで,単発的に環境産業誘致をしては失敗する事例が多い中で,どういう状況か見せてもらいに行きました。
行ってみると,例えば,木質バイオマスガスでの発電施設は,国の補助金が終わって採算が合わずに止まっているなど,電力会社による買い取り単価が2倍から3倍にならないと成り立たないことが分かりました。しかし,牛舎の糞尿を原料としたバイオマスガスプラントは,採算割れしていても,糞尿処理を行うためにも必要と維持運転されています。ここでも,町内の各地域にプラントを広げていくには,その初期投資を酪農家に負わせてはできないといいます。
木材を製紙用チップに加工する葛巻林業さんでは,廃棄物として出る「木の皮」を有効処理する方法として,約30年も前から木の皮でペレット(直径6mm,長さ10mmほど)を作ってきました。事業所のボイラー燃料や,家庭でのペレットストーブに使われます。木の皮でも,針葉樹の皮では樹脂が固まって燃え残りになりやすい,広葉樹の皮からつくったペレットはほとんど灰になる…とか,いろいろ違いがあることを聞きました。世間の流れで,注目されたり,忘れられたりするけれど,踊らされずにとりくまれている姿勢に学ばされました。
役場の農林環境エネルギー課の室長さんにご案内いただきながら感じたのは,農業や林業などの振興策がしっかりしていればこそ,バリエーションとして環境問題にも積極的に挑戦できるということです。葛巻町は,リゾート開発大流行のときそれにまったく手を出さずに失敗もしなかったこと,酪農の振興に粘り強く取り組んできたことがベースにあると思います。
仙台でも,宮城地区や秋保地区など山間部,水田地帯も含めた広大な市域のそれぞれで,地域振興がはかられなければなりません。農業・林業など対象となる人数は少なくても,行政としてもっと真剣な試行錯誤が要ります。小さな自治体の頑張りに,私たちももっと学ばなければならないと思いました。
地中の熱をヒートポンプで利用する「ジオサーマルヒートポンプ」をつかった省エネ住宅もみました。寒い地方では有効かも。
学校の太陽光発電を見に寄った,葛巻中学校で私がこの間調べていた工法でグランド整備が行われていました。
風力発電が盛んなほど風の強い土地柄で,グランドの土を入れ替えても3年でみな飛んでしまうとのこと,今回は,先の葛巻林業さんで杉の皮を粉砕したものを土と混ぜてグランド整備に使うそうです。杉の繊維で土の粒子が飛ばされにくくなり,保水力もUPするとか・・・。
私の地元の吉成小学校でも,グランドの土が,強い西風に飛ばされてグランド東側が高くなるほどです。昇降口の階段が1段埋まってしまうと,弱っていました。
まだ,工事途中でしたが,改めて見に来たいと思います。
最近のコメント