3/26夕方TBCで放送されたニュース特集「仙台市議会 進まぬ改革」は,この間TBCが粘っこく取材をしてきた集大成だと思いました。
私は,本当に求められている議会改革は,市民の役に立つ議会になることだと思っています。市長はじめ市当局の市政運営をチェックする,市民の要求を直接つかんで自ら議員提案する。この役割を果たすために,議会は変わらなければなりません。
そのスタートラインにつくために,市民から批判されている悪習は,直ちに自ら改めるべきです。①政務調査費の使途の透明化,②費用弁償の実費支給もしくは廃止,③海外視察制度の廃止,この3点はさっさとやってこそ次の段階に進めます。これ自体は,「議会改革」と呼ぶのもどうかと思うくらい,当たり前のことです。
共産党仙台市議団は,政務調査費の条例案だけでも4回も議員提案で出し続けてきました。ずっと,提案を無視すること済ませてきた仙台市議会です。今回,やっと,他会派から継続審査を求める動議が出されたり,採決の際に賛成する議員が出ました。少し,変化を感じます。
市民の権利である「請願権」が,仙台市議会ではほとんど生かされていないところにも仙台の異常さがあります。もっと,市民の声を,議会が素直に聞き,政治に生かすことが大切です。「自営業者の自家労賃(=妻や子の賃金)を経費として認めてほしい」という所得税法の見直しを求める意見書が,県議会では3月全会派一致で可決されたのに,仙台市議会では,共産党だけしか賛成しない結果でした。出される請願の数も,採択される数も,本当に少なすぎます。請願提出には,紹介議員が必要ですが,紹介議員になりたがらない,かつ,紹介議員にならない=賛成しない,という図式が横行しています。ここを「議会改革」して,市民に役に立つところを議会は見せる努力が必要です。
各地で「議会基本条例」をつくる取り組みが行われています。議会がどうあるべきか,市民と一緒に考える大事な機会だと思います。同時に,できあがった基本条例をみると,議員や所属政党による政治的な意見の違いがあることを無視するような中身も向けられます。一人の首長を選ぶのとちがって,市民の多様な意見が議会には反映されることが,市政チェックの機能を保障します。選ばれる議員の数が少なくなればなるほど,多様な意見の反映がされなくなってしまいます。
「市長が提案した予算や条例案が仙台市議会では40年以上否決されていない」「議員提案でできた条例が1つしかない」と報道されていました。しかし,私たちは約80件の市長提案議案のうち,15件に理由もすべて述べて反対しましたし,条例の議員提案も30件以上続けてきました。(討論の録画中継はこちら1:45まで進めてください)ここにも,議会を一様なものと見る傾向があるのではないでしょうか。それぞれの議会の中の,改革を進める部分(議員)を増やすことがなければ,「議会改革」が進む展望は開けません。
市民が,確固とした姿勢で声を上げれば,議会・議員は変えられます。国民・住民こそ主権者なのですから。
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