仙台市主催の「放射線と食品に関する講演会」で中川恵一氏
今日(2/3)は、イズミティ21で開かれた「放射線と食品に関する講演会」(主催:仙台市)に行ってきました。講演は、東京大学医学部放射線科 准教授 中川 惠一氏。「がんと放射線~暮らしと食生活~」と題した講演でした。
700名を超える申し込みがあったそうですが、寒波と雪で足元が悪かったこともあり500名ほどの参加でした。

出だしから「私は『御用学者』と呼ばれているんです・・・」と切り出した中川氏ですが、なんとも最後までその印象はぬぐえませんでした。間違ったことを言っているわけではないのですが、市民が心配していることに「心配しなくてもいい」というニュアンスで説明をするタイプです。特に、安心できる理由もなしに・・・。
全体としては、がんになるリスクは、放射線よりも、日常生活の習慣(タバコ、肉食への偏り)の方が大きく、世界ではがんの確率が下がっているのに日本ではがんに対する教育が遅れ、検診率も2割程度のまま、がんにかかる割合は高くなっている・・・これが放置されているのに、放射線だけ心配するのはいかがなものか。という論調です。
がんの放射線治療の専門家としての立場から、そうお話しするのはわかります。それにしても、その場合でも、タバコなどのリスクと比較するのでは、多くの市民が心配している、子ども達への将来にわたる影響について正面から応える議論となりません。
低線量被爆の影響についても「科学的には100ミリシーベルトまで、それ以下は哲学的解釈」と述べ、低線量の影響を科学的に証明するには広島・長崎のデータでは数が足りない、さらに原爆による被爆は瞬間的、原発事故による被爆は継続的との違いがある、とも認めながら・・・あまり心配しなくても、となるのが残念でした。
わからないものは「わからない」として、でも「わかること」は正しく伝え、増やしてゆくことが大切です。健康への影響も、他のリスクと比べることも含めて正しく知ること、その上で、個々人が判断できるようにすることが大切です。「専門家」でも「安全なレベルだ」というのでなく、危険度はどのくらいか他のリスクと比較して客観的に伝えることに重点を置くべきだと思います。
小学校の保護者の方々が、市への要望書を出したいとご相談がありました。きっと、その方々が今日の講演を聞いても、「じゃあ安心なんだ」とはならないと思います。市民の学習と行動力で、行政を動かしていくことがやはり大切です。
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コメント
はじめまして。
私もこの講演会に参加し、質疑応答で、何点が質問しましたが(タバコ、牛乳、牡蠣、福島で農業をされる方の被曝について)、納得できる回答がなく、御用学者という評判はその通りだなと感じました。
本当はもっと問い詰めたいことがありましたが、時間に限りがあるので遠慮しました。
「帰ったら周りの人にも癌は増えないと伝えてください」みたいなことを言っていたことにも怒りを覚えました。
講演を聴いた方に「東大の偉い先生が言ってるんだから心配いらない、気にしすぎない方がいい」などと言われることで、子供の被曝に神経をすり減らしているお母さん達が、また追い詰められるのでは、と、胸が痛みます。
添加物を避ける、トランス脂肪酸を避ける、防腐剤を避ける、こうしたことは当たり前にしてきたことですが、何故か放射性物質を避けようとすると、気にしすぎと叱られます。本当におかしな話です。
このような方をわざわざ呼んで講演をさせる仙台市に不信感を持ちました。
また、あのような公の場で、本の宣伝がくり返されたことにも疑問を感じました。
投稿: 青葉 | 2012/02/13 21:46
青葉さま
コメントありがとうございます
2月16日18:30仙台国際センターで、安斎育郎さんの話を聞けます。弁護士のみなさんの主催で、入場無料。大ホールがいっぱいになったらサブ会場も準備しているそうです。
こちらは、きっと残念ではないお話になると思います。
もちろん、私も行きます。ぜひ、青葉さんもどうぞご参加ください。
投稿: hanaki | 2012/02/13 23:40