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2012/05/23

がれき広域処理問題 北九州で逮捕者…無用の対立を持ち込んだのは誰か

 宮城県石巻からのがれき受け入れを巡って、北九州市で抗議の市民が逮捕されたというニュースが流れています。この問題では、受け入れを是とするのか否とするのか、求められた全国各地の住民の間、行政と住民の間、被災地と各地の間で、対立が生まれ問題が複雑化しています。

 これは、どちらかが正しく、一方は間違っているという対立ではなく、別の形の矛盾が持ち込まれたものです。根本の矛盾の原因を明らかにして、解決の方向を示さなければなりません。

 「がれき処理問題」と、「放射性物質の処理問題」2つの側面をきちんと整理

震災がれきの処理という側面

 たとえば、原発事故がなければ、単純に「震災・津波によって発生したがれきをどう処分するか」を考えればよい課題です。がれきの処理能力や方法を考え、被災地以外で活かせる施設や能力があれば協力してもらうことも大切です。復旧・復興のために早く処理するという側面と、がれき処理自体を地域の雇用の受け皿として地域経済の再生のステップに位置付けることも大切だと思います。とりわけ、遠くまでがれきを「運ぶ」ことのコストと、それで儲けようとする被災地以外の大きな企業の存在を考えておくべきです。
 宮城県は、21日県内のがれき総量1800万トンのうち、県が処理をしなければならない分は減少する見込みだと発表しました。(1107万トン→676万トン)県外自治体に要請する広域処理量も減る見通しです。(354万トン→114万トン ※根拠はあやしい、もっと減らせるのでは?) [河北新報5/22付より↓]

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 一方で岩手県は、がれき総量は525万トンの見込みから90万トン増え、広域処理量も56万トンから119万トンに増えるとしています。
 つまり、震災から一年たってまだ、被災地域内でどこまでやれるのか十分検討されていないということです。

震災ゴミは一般廃棄物 だけど中身は産業廃棄物

 震災ゴミは、一般廃棄物として行政に処理が任されます。しかし、その中身は、建築廃材などと同様、産業廃棄物の処理方法で処分すべきものが大半です。一般廃棄物処理の仕事(家庭ごみの収集・焼却・埋設、ビン・缶などの選別)しか扱ってこなかった行政にとって、途方に暮れる課題であったことは事実です。
 そこに実際は産廃処理のノウハウもないゼネコンが、県に助け舟を出し、仕事が丸投げされた・・・今、起きている困難・矛盾の一つはここにあります。ゼネコンの作った処理計画は、大量のがれきを遠くへ運んで処理する、運送費に大きな費用をかけそこで儲ける、という中身でした。その数字を、県や環境省がそのまま「広域処理が必要な量」として発表していたのではないか・・・今回の見直しで、さらにその疑いが強まっています。
 仙台市では、市域内のがれき処理を市で行うことにし、ゼネコンではなく産業廃棄物処理業者に委託をしました。がれきを仮置き場に運ぶ時から、分別を行い焼却するもの、埋め立てるものをできる限り減らす、危険なものの管理を徹底する方法がとられています。
 宮城県内でも、石巻ブロックを除けば、それぞれの地域内での処理が可能だとされています。広域処理を、お願いする前に、域内処理、県内処理、東北内での協力についてもっと検討を深めるべき課題だと思います。参考 赤旗4/23付「宮城県ゼネコン丸投げ がれき処理進まず」

放射性物質としての側面

 仙台市のがれきの放射性物質の濃度は高くありません。しかし焼却施設で燃やせば、その飛灰(フィルターでキャッチされたもの)は1500㏃程度まで高くなります。濃縮されたものをどう扱うのか、危険を広げないように、きちんと管理するよう方法を定めるべきです。
 本来原子力施設などに閉じ込められていなければならない放射性物質が、大量にばらまかれてしまった責任は、東京電力と政府にあります。がれき処理に対する、困難や放射性物質の処理に関する責任も、東電と政府が負うべきものです。
 放射性物質の人体への危険性については、私は繰り返し発言をしていますが、「安全か危険か」で済むものではなく、それぞれのレベルによってどのくらいの危険度なのか理解し、それぞれが判断できる方向に進むべきだと思います。(これもばらまかれてなければ必要のないことですが)
 放射線管理の立場からは、分散させない、集中してしっかり管理することが原則です。わざわざ汚染されていない地域に持っていくことは基本的には避けるべきです。どうしても、必要な場合は、処理方法、管理方法が徹底されることと、危険度の理解が十分できて住民が自ら判断できる状態にしなければなりません。これは、被災地でも相当困難なことですから、他の地域ではほとんど不可能だと感じます。
 いずれにせよ、広域処理が本当にどれだけ必要なのかあいまいなまま、住民理解を得ようとしても不毛な対立を生むばかりです。

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コメント

瓦礫の受け入れを巡って萩市議会でも厳しい激しい議論をしました。原発がなければこんなことはありませんでした。これが事の本質です。それを隠すかのように瓦礫の受け入れ問題で対立が描かれているのがとても苦しいところです。現地の人がこのように言われたことが、わたしたちにも大きな励みになります。ありがとうございます。なお私のブログにコピーさせてもらいました。

投稿: 宮内きんじ | 2012/05/29 11:54

初めまして。仙台市若林区在住の者です。

震災がれき処理に関しての試算表(運送費含む)があります。その結果、広域処理のほうが、仮設の焼却炉を新設した地元処理よりもコストが低くなるという報告があります。その他、広域処理に関する一般的な疑問について、できるかぎり考察してみました。よろしければぜひご一読ください。

「北九州市がれき受け入れ反対派の抗議騒動について」
http://hhvstudio.seesaa.net/article/271243481.html

「誤解と偏見がもたらすもの~北九州市がれき受け入れ反対派の抗議騒動について・続編」
http://hhvstudio.seesaa.net/article/271791535.html
↑試算表はこちらに記載してあります

また、「これは、被災地でも相当困難なことですから、他の地域ではほとんど不可能だと感じます。」とのことですが、他の地域ではなぜ不可能なのでしょうか。「被災地では多くの難題を抱えているため難しい」という話なら分かりますが、それ以外の地域は、被災地よりは客観性や経済的・精神的な余裕があるかと思います。

投稿: 長谷川寛子 | 2012/06/02 21:12

被災地から貴重な情報発信をありがとうございます。極めて精査された上で書かれた記事と感じました。

横田有史宮城県議のブログで、北九州市までの輸送費が1トンあたり175,000円と知りました
http://yushi-yokota.web3plus.net/modules/wordpress/index.php?p=523

遠くに運搬すれば運搬するほど輸送費がかかります。赤旗の記事にある「処理規模を小分けに分割して、中小の産廃業者を参入させよ」という提言も、とても具体的です。
花木市議や他の皆様の問題提起によって、貴重な復興財源が、より優先順位の高い政策に振り向けられますよう、願っております。

投稿: 放射能ごみ・まとめ | 2012/06/03 16:25

ハンドルネーム「放射能ごみ・まとめ」さんは、Twitterでは私のブログについて「エグい」「恥ずかしい」さらには私のことを「工作員」だと表現されておられました。参照:http://togetter.com/li/311061 私は一般市民です。また、「放射能ごみ」という表現も適切ではありません。被災地から出たのは「震災ごみ」です。

投稿: 長谷川寛子 | 2012/06/04 14:28

上記のリンク再載します。

http://togetter.com/li/311061

投稿: 長谷川寛子 | 2012/06/04 14:31

長谷川さん、昨日、あなたが話をしていた人物は、人形峠ウランレンガ事件・岡山リスコミ事件の当事者の友人です。原子力村の村民のお友達です。

「がれき受け入れ」導くアンケート調査の裏側――環境省・部会長が経営する会社が実施
(週刊金曜日 4/13号)
http://eritokyo.jp/independent/ikeda-col1213/kinyoubi2012-04-13.pdf

あの人物は他にも不法行為を働いています。
そのような反社会的人物と、平然と会話しているあなたを見ていますと、あなたが批判する北九州の中核派と、あまり変わりがないのではないかという印象を強くするわけです。

北九州市では住民監査請求まで行われているにも関わらず、試験焼却が行われたのがポイントです。

北九州市民が怒っているのは、
・市の災害廃棄物検討会に、環境省の現役担当者が委員として人選されており、利益相反が指摘されている。地方自治法の観点からも問題
・議事録が一部しか公開されていない

「放射能ごみ」ですが、100bq/kgを超えるものは特措法の対象であり、特措法対象になるがれきは被災地にはいくらでもあります。
http://www.pref.miyagi.jp/shinsaihaitai/pdf/201201_housya01.pdf

投稿: 放射能ごみ・まとめ | 2012/06/05 10:48

放射能ごみ・まとめ さま
長谷川 さま

ブログを書いております、花木則彰です。
コメントをお寄せいただきありがとうございます。

この記事を書いのは、震災がれきの受け入れの是非をめぐっての対立を残念な思いで見ているということ、それもどちらの方々も悪意ではなく真剣に考えての対立であることが分かるだけに問題点の整理ができないかという思いからです。

問題を複雑にした根源は、原発事故で放射性物質が広範にばらまかれてしまったことにあります。否応なく、放射線の危険に対応せざるを得なくされています。どこまで、その対応にかかわらざるを得ないのかは、それぞれ「判断基準」が異なるのも、この問題の特性です。

書き手の、思いを尊重していただき、ここでの論争はご遠慮いただきたいと思います。申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

投稿: hanaki | 2012/06/05 18:19

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