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2012/06/23

仙台市議会 6月議会が終わりました(討論をUPしておきます)

 昨日(6/22)、第2回定例会(6月議会)が終わりました。震災後、1年が過ぎ、被災者の生活再建へさらに必要な手立ては何かを積極的に提案してがんばりました。報告しなければならないことはたくさんありますが、とりあえず、私が昨日行った討論をUPしておきます。

日本共産党仙台市議団の花木則彰です。会派を代表して議題となっております19件のうち、議第3号 平成23年東北地方太平洋沖地震による被災住宅再建費助成条例をはじめ  16件の議案に賛成し、第99号議案 平成24年度仙台市一般会計補正予算(第1号)、第100号議案 平成24年度仙台市自動車運送事業会計補正予算(第1号)、および第102号議案 仙台市泉岳自然ふれあい館条例の3件に反対し討論を行います。

 

俳優の渡辺謙さんが、今年1月世界経済フォーラム年次総会「ダボス会議」で行ったスピーチが、今ネット上で改めて話題になっています。「絆」について「半分の糸がどこかの誰かとつながっている…困っている人がいれば助ける。おなかがすいている人がいれば分け合う。人として当たり前の行為です。」と述べたものです。この部分に続けて『「原子力」という、人間が最後までコントロールできない物質に頼って生きて行く恐怖を味わった今、再生エネルギーに大きく舵を取らなければ、子供たちに未来を手渡すことはかなわないと感じています。…がれきの荒野を見た私たちだからこそ、今までと違う「新しい日本」を作りたいと切に願っているのです。』と原子力についても語っています。大震災と原発事故から私たちが学ぶべき原点だと思います。何も学ばず、民主党政権が大飯原発再稼働を強行し、消費税増税へ自民・公明とのなれあいを進めていることは許せないことです。

 

「復興元年」にふさわしい市政にしたいと議会からは様々な意見や提案が行われました。しかし、残念ながら市当局がそれを前向きに受け止めての議論にはなりませんでした。被災地に大きな打撃となる消費税増税を容認する市長の発言や、果てはささやかな福祉施策「ふれあい福祉バス事業」の打ちきりを表明するなど、冷たい姿勢が目立ちます。

がむしゃらに「できることを精一杯やろう」と取り組んだ1年でした。ここまで来て、被災者の救援・地域の復興に何が壁となっているのかもわかってくる時期です。まさに被災者・市民と「ともに前へ」、阻んでいるものに立ち向かう市の姿勢が問われています。

 

復興交付金の2次交付から仙台市が宅地被害、津波被害の被災者支援を行うことにした3つの事業が外された問題は、民主党政権が国会での答弁さえ投げ捨て、被災者の実情から目をそらし、被災自治体の思いを踏みにじる許しがたい暴挙です。これらの支援制度を、「個人資産の形成になるから」と拒否するのでは、阪神淡路大震災以来これまで多くの被災者の涙と苦しみの上につくられてきた被災者生活再建支援策が根底から崩されかねないものです。われわれ議会も、後ろから支えるというより、いっしょにスクラムを組んで必ず突破しようではありませんか。

国に断られると、市民とともに国に立ち向かうのではなく、すぐ国の言い分を市自身の理屈にして逆に住民を説得しようとするクセは、きっぱり正してもらう必要があります。第1回定例会では、被災建物の公費による解体・撤去の申し込み締め切りをめぐって、当局の姿勢が問題になりました。議長を先頭に国に意見し、国の態度を変え、市長も延長を決断しました。ところが、今度は応急修理制度の受け付け再開・延長を求めることについて同じ誤りを繰り返しています。制度の名前に「応急」がついているから1年が過ぎた今はもう当てはまらないとかではありません。それは離れたところにいる国の論理です。被災自治体は、実際に目の前にいる、被災者市民の救済にその制度を活用する余地があるならそれに向かって努力するのが役割のはずです。住民の意思は明白です。市は、応急修理制度の受け付け再開に向け、国に求めるべきです。

集団移転を希望する方々への支援を、もっと手厚くするための提案も多く出されました。防災集団移転促進事業で建物移転料を被災前の建物の価値によって算出するように求めることもその一つです。すべて流された人には出ない、大きな被害を受けた人ほど少なくなるというこの問題は、実情に合わせて制度を改定または弾力的運用を図るべき課題です。

制度とともに、自ら作った「線引き」に市が縛られ被災者に冷たい対応となる場面も多くみられました。「ここまでは何とか責任もって対応する」という線は引いても、「ここから先は知りません」という意味ではないはずです。「ここから先も相談に乗って対応ができるようがんばってみる」という姿勢が大切です。そうしてこそ、被災者は仙台市にもあたたかさを感じるのだと思います。

今議会での、議論を、今後の市当局の取り組み姿勢に生かしていただくことを求めます。

 

議第3号 平成23年東北地方太平洋沖地震による被災住宅再建費助成条例は、そういう立場から提案されているものです。中程度以上の宅地被害を受けた5000を超える世帯のうち、擁壁・法面の復旧については国の制度で約7割が救済され、3割が市の独自支援策で助成を受けることができると思われます。しかし、擁壁・法面は直っても、傾いた家を直すには支援がありません。まさに「ここから先頑張る」取り組みです。大きく傾いていても、少しの傾きでも直すのには、同じく高額の工事費用がかかります。工事費のうち1世帯300万円を上限に助成をする制度です。私からも、みなさんに賛同を求めたいと思います。

 

99号議案 平成24年度仙台市一般会計補正予算(第1号)では、第1条 歳入歳出予算の補正中 歳出第6款経済費 エコモデルタウンプロジェクト推進事業費と、それにかかわる歳入第17款 国庫支出金。また、泉岳自然ふれあい館の指定管理者委託のための第2条 債務負担行為の補正に反対します。

エコモデルタウンプロジェクト推進事業費は、241993万円。財源は、国から総務省補助金で1/3 8億円、2/3は一般財源で16億円これは復興特別交付税で措置されることになっています。事業費の約半分をプログラム開発費10.7億円が占めています。この事業は、実証実験付きのプログラム開発事業といえます。ところが成果物としてのプログラムは総務省の所有でも、仙台市の所有でもなく、民間事業者グループが作る会社の所有になるといいます。本来は、これから有用な儲けの種になるプログラムですから、通信事業者、家電メーカー、住宅メーカー、電力事業者をはじめエネルギー事業者が、自ら開発費をつぎ込んで行うはずの事業です。それを、財界の求めに応じて、国が税金を出す。その口実に、復興が使われているだけと思われます。仙台市もそれにおつきあいをしているだけという関係です。

プログラム開発費の内訳を聞くと、ほとんどが人件費10.6億円です。複数あるプログラムごとに必要な時間数を出してシステムエンジニア400人で4か月、それに日当3.3万円をかけたそうです。
 
 エコモデルタウンにどんなプログラムが必要か、そのプログラムをつくるのにどんな課題があってどのくらいの経費が掛かるのか…仙台市には全く分からないはずです。市当局が「総務省と協議する中での積算だ」と言うので私はおととい、総務省の担当課に確かめてみました。結局、総務省も「事業者から情報を聞いて、それを参考に事業費を積算した」とのことでした。事実上、事業者の言い値で積み上げられた数字です。

私たちは、復興のためにかかるお金は、自治体の求めに応じて国はしっかり保障すべきだとの立場です。しかし、この事業は、復興には直接役立たないものです。プログラム開発の仕事も仙台市で行われることを想定していません。復興に名を借りて、国の税金をつぎ込むものとなっており、仙台市はお金が素通りするだけの典型的な事業と言わざるを得ません。事業費の積算も、議会のチェックに耐えられないものであり、認められません。

 

102号議案 仙台市泉岳自然ふれあい館条例は、指定管理者に管理を行わせることができるという内容になっています。

泉岳自然ふれあい館は、少年自然の家を引き継ぎ、市内の多くの子どもたちが、義務教育課程の一環として、集団宿泊活動や自然体験活動を行う教育施設です。現在は、教員資格や社会教育主事、養護教諭といった資格を有した職員が従事しています。

3年、5年ごとに受託事業者が変わる可能性のある指定管理者制度では、専門性やノウハウの蓄積はほとんど不可能です。また、専門的な職員や有資格者の配置などはきちんと担保できません。委員会の質疑の中で当局は、「社会教育主事や教員資格を要件にすると、民間企業は人材を確保できないので、資格要件は設けない」と答弁しています。民間企業などが参入しやすいように、あえて、要件を緩和するなど、本末転倒です。

2年前、静岡県の浜名湖で中学1年生と教員が乗ったボートが転覆し、女子中学生が亡くなるという痛ましい事故が起きました。この野外訓練を実施した「静岡県立三ヶ日青年の家」は、事故の2か月前に指定管理者に移行したばかりでした。事故原因として、引継ぎ期間が短かったことや、施設の有資格者がボートに乗っていなかったこと、そして大雨・洪水注意報が出されていたのに訓練中止の判断がされなかったことなどがあげられています。

仙台市当局は、「しっかりとマニュアルを作成するので、安全面の心配もない」と言い張っています。しかし、自然を相手にする仕事、子どもたちを指導する仕事であり、マニュアルだけで、これまでの経験や蓄積が引き継げるものではありません。マニュアルに頼った運営はかえって危険ともいえます。

少年自然の家は、1998年度の検査で「倒壊の危険が高い」と指摘を受け、建て替えが求められてきたものです。14年も時間がかかったのは、当局が安上がりに整備しようと応募もないのに2度もPFIでやろうとしたからです。収益性もなく、教育施設という性格からPFIの計画は破たんしました。それでも懲りずに、民間に委託しようとする姿勢は理解できません。

泉岳自然ふれあい館は、市の教育施設であり、自然体験をする施設、宿泊を伴う長時間子どもたちが過ごす施設です。市が責任を持って運営するのが当然です。指定管理者制度の導入に反対する立場から、第102号議案と第99号議案の債務負担行為の設定に反対します。

 

100号議案 平成24年度仙台市自動車運送事業会計補正予算(第1号)は、霞目営業所の外部委託を行うためのものです。安全の問題が社会的に注目されている時に、人件費削減を目的とした委託はやめるべきであり反対です。

今回委託する事業量を、地下鉄東西線開業に伴ってバス事業量が減ることを前提にきめていることが分かりました。その時点で、バス事業量の半分までという委託の制限内に収まるように決めたというのです。ここから二つのことが分かります。一つは、莫大な税金を投入して地下鉄東西線をつくっているのに、出来上がると、市民の足の便はかえって不便になる、負担は大きくなる危険性が明らかになってきたことです。もう一つは、そもそも間違った道ですが、「委託拡大による経営改善という道」はもう行き止まりまで来て、その先に公共交通の未来は無いことがはっきりしたことです。こうしたことに、何の反省も検討もないことが最大の問題点だといえます。地下鉄もバスも含めて、市民の足を保障し、豊かにしていく総合的な公共交通体系にむけて抜本的な検討を求めます。

 

 以上、議第3号への賛成と、3つの議案に対する反対の理由を述べて討論といたします。

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コメント

お疲れ様です。
調べたいキーワードを検索していましたら、こちらにつながりました。
キーワードというのは、新潟中越地震の際に仙台市消防局の方が、現場の指揮をとったということです。
なぜ、仙台の方だったのか。現場には仙台の方が何人派遣されたのか知りたいです。よろしくお願いします。

投稿: 伊達翔平 | 2012/06/24 06:43

伊達さま こんにちは

2004(H16)の中越地震の際、長岡市の土砂崩れ現場で、土砂に埋もれた乗用車の中から子供と母親を救助されました。この救助活動では東京都のレスキュー隊を含めて現場の部隊を指揮したのは、仙台市消防が指揮支援部隊長としてあたりました。
詳しい人数は手元にありませんが、2007(H19)の中越沖地震もふくめて、毎回の大きな災害に支援隊が出されています。

一つは、消防庁長官の要請があって出動することになっていますが、震度6以上の地震が発生した時には、あらかじめ決められた他県・他都市の消防が自動的に第一次派遣を行う仕組みになっています。
発生日・発生時刻によってあらかじめ当番表が作られていて、仙台市の当番の日・時刻にはすぐ出発できる状態で一定の揖保部隊が待機しています。
そういう意味では、中越地震で仙台市消防が指揮を担ったのは、たまたま当番の時間に地震が発生したということになります。

2008年時点で市議会で報告された数字を引用しておきます。参考にしてください。(総務財政委員会2008.4.21)

緊急消防援助隊の部隊編成と任務について御説明いたします。緊急消防援助隊は、指揮を担当する指揮支援部隊と現場活動を担当する都道府県隊で構成され、さらに都道府県隊は、指揮隊のほか火災の延焼防止など消火活動を行う消火部隊、要救助者の検索、救出活動を行う救助部隊、傷病者の救命活動を行う救急部隊など、九つの部隊で編成されます。
 次に、緊急消防援助隊の登録部隊数について御説明いたします。消防組織法により「緊急消防援助隊は、都道府県知事又は市町村長の申請に基づき、必要と認める人員及び施設を消防庁長官が登録する」と規定されております。お示しいたしました表は、平成19年4月1日現在の登録部隊数でございます。本市の登録部隊数は、指揮支援隊が2隊、県指揮隊が1隊、消火部隊が8隊など、重複を除き合計で29隊120名となっております。
 また、宮城県隊は、本市を含む12消防本部、合計で77隊305名、全国の登録部隊数は宮城県隊を含み3,751隊、約4万4000名となっております。

 次に、本市が指揮支援隊として出動する区域です。出動計画で、政令指定都市は指揮支援隊を派遣することになっております。宮城県を除いた本市の出動区域は、北海道、青森、岩手、秋田、山形、福島、新潟の1道6県となっており、北海道を除く6県では、出動した緊急消防援助隊全体の指揮をとる指揮支援部隊長を務めることになっております。

 次に、仙台隊を含む宮城県隊が、第1次出動隊として出動する区域です。北海道、青森、岩手、秋田、山形、福島など1道5県が指定されております。また、出動準備区域は、茨城、栃木、群馬など1都7県になっております。

投稿: hanaki | 2012/06/24 10:17

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