市長選を経ても奥山市長には被災者の声が届かない!
昨日は仙台市議会代表質疑。市長選を経て2期目を迎えた奥山市長に、市長選挙で示された市民の声、とりわけ被災者の声にどう応えるのか、迫りました。(質問は「続きを読む」に)
しかし、すべてにわたって従来通りの変わり映えのしない冷たい答弁でした。市長選での絶対得票率は2割程度、批判票を入れた市民、投票所にいかなかった7割の市民の声を真摯に聞くことさえやるといいませんでした。
ひどかったのは、被災者への医療費・介護利用料免除について、「お金がないのでやらない」という説明から、「お金があってもやらない」に態度が悪化したこと。選挙を終えて、本音が出たということでしょうか。詳しくは、答弁書をもらって、録画中継がアップされたところで再度書きます。
2013年第3回定例会 代表質疑 2013.9.10
日本共産党仙台市議団 花木則彰
花木則彰です。日本共産党仙台市議団を代表して、議案ならびに二期目を迎えた奥山市政の重要課題について質疑します。
先月行われた仙台市長選挙で、私たち日本共産党市議団は「いのち、緑、平和を守るみんなの会」の角野達也候補を全力で支援し、仙台市の市政が被災者や市民にとってやさしい市政となるよう転換を訴えました。政党支持の違いを超えて多くの市民が同じ思いで力を出し合った結果、投票した方の4人に1人の得票を得ました。
また市長選挙の投票率は30.11%と史上最低となり、7割の市民は投票所に行くことがありませんでした。再選された奥山市長の絶対得票率は2割程度しかありません。市長は、批判票を投じた方、投票をしなかった方々も含めた106万市民の声に真摯に耳を傾け、市政に生かすことに心を砕くべきです。いかがでしょうか。
まず、被災者や市民が切実に求めている願いを、聞き入れ受け止めることです。
医療費・介護料の免除打ち切りは、被災者のいのちと健康に現実の危機をもたらしています。被災者からは「病院に行く回数も、薬の回数も、果ては食事の回数も減らしている」「我慢した末、入院や亡くなる人がうちの仮設でも続いている」「入院費用はまた親戚を頼ってお金を貸してもらうしかない。こんな借金ばかりが増える」との声が挙げられ続けています。
被災者の実態は、医療機関の調査でも明らかです。仮設住宅居住者への調査では、1割の方が「受診するのをやめた」としているのをはじめ、回数や診療科目を減らした人を合わせると43%となっています。医師からは「命の危険を感じる中断も少なくない」との意見が出されています。
蓄えの取り崩しや借金が、住宅再建をはじめとした被災者の生活再建への今後の見通しを失わせていることも重大です。ゴールの見えない綱渡りを続けている被災者から、文字通りの命綱をとりあげてしまったのです。市長は、医療費・介護利用料の免除打ち切りが、被災者にどのような影響を及ぼしているか、認識をされているのでしょうか、伺います。
この課題は「行政にお金があるかないか」というものではありません。目の前の被災者住民の命を救う、救援・支援をやる気がない市長では失格とも言うべき事柄です。どう実現するかの道筋は、いくつかあるでしょう。しかし、「やらない」という選択はありません。
宮城県が医療費・介護料の免除対象者の絞り込みや、今後の国への要望活動について、市町村の意向を聞くアンケートを8月に行ないました。県が負担するという姿勢は示さずに、市町村の意向を聞くというアリバイ的な調査です。それへの市の回答も、「従来通りの内容で国に要望を続け、国10割負担以外では実施は困難」というもので、実施の意欲はみじんも感じられないものでした。被災者に背を向けた、県と仙台市の結託はやめるべきです。
第97号議案 一般会計補正予算案(第2号)で、宮城県道路公社出資金が44億円返還されることになり、予定していた株式の売却10億円をやめたうえ、財政調整基金の取り崩しも37億3600万円も少なくて済むと提案されています。37億あれば医療費・介護料の免除は2年以上市単独でも可能です。お金は十分あるじゃないですか。医療費・介護料の被災者への免除、すぐに復活させるべきです。うかがいます。
保育所待機児童解消をめぐって市長の本気度が問われています。8月1日時点での待機児童(認可保育所に申し込んで入所できないでいる児童数)は、昨年同時期から179人も増え1248人となっています。奥山市長のこれまでの対策が抜本的に見直されなければならないことを物語っています。
「待機児ゼロ、4年間で認可保育所を40か所4000人分増やす。半分は公立保育所として整備する」と角野候補は根拠のある数値目標も含めて公約に掲げました。対抗して、奥山陣営は「保育総量2万に、4000人分の受け皿をつくる」と言いました。違いを問われて市長は、認可保育所や公立保育所ではお金がかかりすぎる、別の保育施策も組み合わせる、と答えました。
結局、子育て中のお母さんお父さんを応援すること、子どもたちが健やかに成長するために自治体として力を尽くすことよりも、安上がりに済ませたいという事が優先されています。つめこみでもなんでも我慢しなさい、という冷たさが現れています。こういう市長の態度が、政治に「これだけは何とかしてほしい」と期待する若い方々を突き放していると、気が付かないのでしょうか。伺います。
保育をめぐる問題は、国の施策自体が、待機児解消を掲げはするが、自治体の困難をいっそうひどくするものばかりです。大都市を中心に全国どこでも待機児童の増加が深刻になった原因は、国が保育所の運営費国庫補助を廃止し、地方交付税化したこと、認可保育所とりわけ公立保育所抑制策がとられたことです。自治体も、その流れに乗って来ました。 奥山市長自身も公立保育所の廃止を進めてきました。国も自治体も、反省すべきだと考えます。お聞きします。
安倍内閣は反省するどころか、「子ども子育て新システム」の2015年本格実施に先駆けて小規模保育事業を保育士資格者が半数いれば後は無資格者でかまわないと規制緩和しようとしています。コストカットでもうけを狙う営利目的の事業者が、園庭もないビルの一室に子どもたちを押し込んで「保育」をする。儲からなければすぐに撤退。これでは「待機児童解消加速化プラン」などと呼べません。
児童憲章で子どもたちに認められた権利、児童福祉法で自治体が実施の責務を負った保育とは、環境が整備され、専門性を持った保育士によって行われるべきものです。認可保育所の規制緩和や、株式会社参入でおかされているのは子どもたちの権利です。
第104号議案仙台市児童福祉施設条例改正案は、堤保育所と愛子保育所の2か所の公立認可保育所を廃止する内容です。待機児童解消には4年間でまだまだ4000人分の保育所を増やさなければならないというのに、今廃止をする理由は全く市民の理解を得られていません。廃止を撤回し、認可保育所の整備、公立保育所の整備に、まっすぐ取り組むことを求めます。奥山市長の選挙公約に関わる内容です。直接お答えください。
次に、復興と復興の先の街づくりのビジョンについてです。市長は選挙期間中仮設住宅で開いた集会で、医療費の免除復活を求める声を抑えて「仙台がどれだけお金を落としてもらえる都市になるかという大きな課題を追っている。二兎を追うわけには行かない」と発言し、参加していた被災者に大きな失望を与えました。しかし、奥山市長の目指す仙台市のビジョンは全くはっきりせず、市民に受け入れられたとはとても思えません。5つのチャレンジでも個別の政策でも数少ない街頭演説でも具体的には何も示されませんでした。
地下鉄東西線ができればとか、コンベンションホールがあればとか、外からの企業誘致がすすめばなどと、前提条件はどんどん増えますが、「だから市民の生活はどうなるのか」「地元業者の生業はどうなるのか」という部分については何もありません。
コンベンションホールをつくることで300万人の交流人口が増えると力説されましたが、何の根拠もありません。コンベンションホールをつくる計画は、どんどん内容が変わり、市が税金で賄う額は増え続けています。最初は「民間に土地を貸し作って運用をしてもらう」というもので基本的に市のお金は出さないという説明でした。しかし、「とても採算が取れない」と誰も手を挙げてくれませんでした。すると、「市が直接建設する」と言い出し「十数億円でできる学校の体育館を少し大きくしたくらいのもの」と設計費がつけられました。設計をしている間に、いつの間にか「20億円を超える」と膨らみました。そして、今回、補正予算を見ると本体工事で23億8000万、基礎工事などで1憶5000万、関連して国際センター、青葉山公園整備、地下鉄駅への屋根つき通路などが4億1000万かかりますから、ほぼ30億円まで膨らんでいます。
奥山市長1期目最初の予算提案で、水族館の出資話し10億円の提案をして引っ込めた時、私たちは「あまりにも軽々しい税金の扱い方だ」と批判しました。今回も、ハコモノつくりに関することなら、市長にとっては10億円20億円はこんなに軽々しいのかと感じます。市長はいかがお考えなのでしょうか。
他の大都市や、県内や東北の他都市との生存競争に勝ち残ることが仙台市の将来ビジョンなのでしょうか。全国どこでもありそうなビジョン、どこでもうまくいっていないビジョンにチャレンジされても、市民は喜ぶこともなければ、東北の方々から応援されることもありません。震災、復興を機に、街づくりのビジョンを、根本から見つめなおさなければなりません。
市民の生活と、地元事業者を大切にする地域経済の再建を思い切って進め、外からのお金に頼るのではない地域循環型の経済を発展させることが商都仙台の「復興と街づくりのビジョン」とするべきです。震災で打撃を受けた東北の水産関連、農業関連事業の支援に、国の力を注がせるとりくみの先頭に仙台市が立って、文字通り東北のリーダーとしての信頼を得るべきです。東北のみなさんが豊かになってこそ、仙台市の繁栄はあります。
仙台市基本構想、基本計画をハコモノ優先から市民生活と復興優先へと、見直しに着手することを求めます。お答えください。
ハコモノ優先、身の丈以上の公共事業優先の政治は、ゼネコンのため、中央財界のためでしかありません。仙台の地域経済の中で一生懸命得た利益を、市民や地元事業者が税金として納めます。税金が、大型公共事業に使われると地元業者ではなく大手ゼネコンが利益を得て、地域経済からは吸い上げられてしまいます。市の税収も増えません。復興事業では、全国から被災者のためにと大きなお金が寄せられますが、同じ仕組みで、地元経済には残りません。
地域循環型の経済のために、自治体としてやれることは全力で取り組むべきです。その一つが、公共事業の分離・分割発注です。発注や管理のため市の職員の手は取られますが、地元業者が直接受注できる形に分けることで地域経済への還元が強まります。震災前からWTO案件とされると自治体が工夫しづらくなっていましたが、震災後、復興事業では職員の人手不足、資材や労働力の不足も相まってゼネコン頼みに陥っている感もあります。地元企業が直接受注し工事管理のできる体制を作り、維持できるように、市の公共工事発注を意識的に改善していくことが必要です。また、保育所や学校の建設などでは地元事業者が単独で、あるいは地元業者同士でJVを組んで受注することができます。大型公共事業から身近な公共事業に税金の使い道の重点を移す。このことが、地域経済を循環型にするためにも有効な手立てだと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
また、公契約条例をつくって、市の発注する工事や仕事で働く人たちの時給を引き上げることも、地域循環型経済を進める手立てです。宮城県の最低賃金は現在の時給685円から11円引き上げ696円とするよう最低賃金審議会から答申が出されました。10月31日から適用されます。それでも他の政令都市と比べて仙台では低すぎる水準だと言えます。市発注の仕事で、時給を1000円に引き上げるなど、公契約条例をつくることを求めます。いかがでしょうか。
市が中小事業者の要望や実情をつかんで、市民とまさに協働で、中小企業振興条例をつくることは、仙台地域経済を支えている方々に大きな励ましを与えます。補正予算には中小企業支援条例の制定のための調査として、地元中小企業者との経済懇話会開催に110万円、シンポジウムに880万円があげられています。何人かに限定された懇話会で話を聞くだけでは足りません。4万7000あるといわれる市内の事業所をすべて回って悉皆調査を行うことが必要です。東京都墨田区が担当部局だけでなくほぼすべての区職員が手分けをして、地域の事業所ごとのカルテをつくり地域経済振興策を発展させてきました。文字通り全庁の力を発揮して、人手もお金もかけてとりくむべきです。外からの企業誘致や、新たに起業することにばかり重点を置く、経済政策ではだめです。いかがでしょうか。
市長選挙で問われた3つ目は、県と仙台市の関係です。私は、県と市が面子や意地の張り合いで対立したり、無駄な公共施設をお互いにつくったりすることは反対です。しかし、この間の特に市長選挙や県知事選挙を前にした時期の村井知事と奥山市長の関係は、お互いの悪政をかばいあい、県民市民の切実な願い実現の壁となる、みにくい結託としか見えません。
「県が出さないのに市だけで医療費免除復活はできない」と被災者に言い訳しながら、当の県知事には文句の一つも言わない。知事からは、「復興について遅れている市町村に(仙台市が)歩調を合わせてくれて助かった」と応援演説を受ける始末です。全然、前向きのスクラム、被災者・県民の要求実現のために国に向かうスクラムではありません。
そもそも、宮城県と仙台市が協力して県民のために頑張ったことが無い、悲しい関係です。かつて、ゼネコン汚職でつかまった市長と県知事が仲良く利権を分け合っていた時以来はじめて、市長選での応援演説に現職知事が立ちました。奥山市長は、過去の誤りに陥らないよう、県民の半分を占める仙台市民の代表として、また県内35の基礎自治体のリーダーとして、県政の問題点を積極的に明らかにして対応すべきだと考えますがいかがでしょうか。
市民からも県に対して、数多くの声が出されています。「県も責任を持って医療費免除復活に取り組んでほしい」、「子どもの医療費助成全国最低の水準を引き上げてほしい」、「環境税は何のためかわからない」、「仙台市内に特別支援学校をもっと増やしてほしい」などです。市長自身の声として、これらの課題について意見表明するべきです。いかがでしょうか伺います。
とりわけ、福島県や新潟県と比して、原発立地県でありながら知事の原発容認ともいえる姿勢、被害賠償や安全確保に向けた動きの鈍さは際立っています。100万都市であり県人口の半分を占める大都市仙台が、原発から50㎞にあることの重大な意味を知事は認識すべきです。防災拠点をつくるなら、原発再稼働を許さず、廃炉にすることが前提であるべきです。市長の考えをお聞かせください。
市長選で最後まで話題となったのは「市民との対話」です。奥山市長も角野候補も同じ言葉を使っているのですが、意味する所に大きな違いがありました。市長は「対話・小集会を重視する」と言う口実で、支持してくれる人だけ少人数だけとの「対話」、部屋の中に閉じこもってしまいました。その少ない対話の時でさえ、出された要望に積極的に応え意欲を見せることはありませんでした。私たちは、「市長は自分に批判的な市民とは会おうとしない。もっと広く市民と対話すべきだ。」と議会でも指摘してきましたが、選挙の中でさえもその態度は変わりませんでした。
自らが市民との対話を強調するのなら、面会を求める市民には会って話を聞くのは当然です。幅広く対話をすること、出された要望はきちんと受け止めることなど、対応を改めるべきです。いかがでしょうかお聞きします。
2012年度決算の特徴について議論します。
市税収入が震災前の水準に戻っています。中身をみると個人市民税では所得割額が2010年度551億3000万円から2011年度470億7000万円に落ち込みましたが、決算年度は527億2000万円となり持ち直したように見えます。しかし、この増収は、年少扶養控除が廃止されたことによる23億円という増税でもたらされたもの、そして特別徴収の回数変更による23億円によるものです。結局市民の所得水準は震災直後のまま回復していないことを示しています。
法人市民税は、復興需要等による企業業績の改善のため法人税割が増えたとされています。しかし、市内の法人の中で、収益がなく法人税額ゼロの法人の割合は、56.7%と依然として高い水準のままです。
市民生活、地元中小業者の生業は立ち直っていないのに、仙台市の財政指標が軒並み良くなっていることは、ほめられることとは思えません。2011年度と2012年度震災後の2年間で2010年度に比べて市の歳入は、3940億円増えました。それが、救援・救済、復旧・復興に十分使われていないからこそ、財政指標が良くなったと言えるのではないでしょうか。市長の見解を求めます。
2011年度にひきつづき、震災分と通常分に分けて分析することが必要です。財政局が出した資料によると、普通会計約6000億円のうち、震災分では、歳入が2028億6000万円に対して、歳出は1906億9000万円ですから、単純にいうと
黒字121億7000万円です。(通常分 歳入4215.5億円、歳出4082.4億円 133.1億円の黒字)震災復興のためにと入ってきたお金は、復興のためにきちんと使われたのか、議会はチェックする義務があります。これからやる仕事についての予算も積立金や繰越金として計上しても、なおかつ120億を超える黒字とは、復興に使うべきお金を持て余しているということです。いかがでしょうか。
この震災分の算出で昨年と比べて突出しているのが人件費です。2011年度は3億3000万円だったものが2012年度は56億2000万円も計上されています。通常勤務ではやりきれない仕事が震災関連で発生し、人を増やした、超過勤務手当が発生したというのならわかります。しかし、それでは説明できないほど巨額です。
たとえば、議会費15億3000万円のうち震災分は2、550万円で全額人件費と言います。どんな人件費、誰の人件費が震災分に計上されたのかと聞いてもわかりません。人件費が震災分に計上されたのは、財政局が「各課の業務のうち復旧・復興関係に費やした業務の概ねの割合を10%単位で記入して下さい」と選択させるアンケートを各局予算総括課を通じて各課に求めた答えを基にしているそうです。アンケートの但し書きでは「10%には満たないと考えられる場合でも、一定の復旧・復興業務を行ったと考えられる場合は、5%と記入して下さい。」と求めています。要するに、そんなに正確でなくてもよい、少し多めに答えるように誘導するものになっています。答える方も、まさに「大体こんな位だろう」と書く以外にありません。こんな根拠で、復興のために56億円もの税金を使ったと説明できません。
問題は、「震災復興のために仙台市の人件費が膨らんでいる」という状況にはない中で、このような操作が行われていることです。市の人件費は、2010年度656億5000万円から、2011年度にはわずか1億5000万円ほど増えて658億円になりましたが、決算年度は通常分と震災分を合わせても637億8000万円で20億円も減らしています。「震災で人件費がかかるようになった」どころか減らしているわけです。
震災分で使ったと言えるお金を増やして議会や国に報告したかった、と言うことなのでしょうか。伺います。
さて、震災分にわざわざ計上した人件費は、通常分の人件費を浮かせる効果しか発揮しません。実際通常分の人件費は2011年度654億6000万円から581億6000万円へと73億円も大きく減らしています。浮いたお金は、震災のための事業ではなく、通常の事業に使われたことになります。
私たちが国から得ている復興のための財源は、今年度からすべての国民に25年間所得税を2.1%上乗せ、個人住民税も来年度から10年間1000円上乗せし、まさに庶民増税の8兆円でまかなわれるものです。復興予算の流用が国民から厳しい監視を受けることは必至です。被災地の自治体の決算がこんなことでよいのでしょうか。決算をやり直すべきです。いかがでしょうか、伺います。
震災分の歳出の内訳をみると、基金への積立金が889億円で44%と最も多くなっています。これは、今後の事業のために積み立てたものであり、決算年度ではまだ仕事をしていない、お金を使っていない部分です。震災直後の年度ならともかく、2年目でこの割合は、「仕事が遅い」と被災者は感じてしまいます。
やった仕事では、災害復旧費と普通建設事業費がほとんどを占め、公共施設等の復旧が主な仕事だったことが分かります。被災者の生活再建への支援には、「お金を使っていない」のです。
もっと被災者の生活再建への支援に力も予算も振り向けるべきだったのではないでしょうか。少なくとも「お金がない」との市長の説明は間違いだったと認めるべきです、いかがでしょうか。
このような仙台市の復興予算の使い方が、被災者の生活再建を遅らせています。住宅の再建について、仮設入居者1万2000世帯のうち、2年半たった現在でも未だ8割の方が住宅再建を果たせず仮設暮らしを続けています。自力再建が困難な方は、復興公営住宅の整備を待つことになりますが、希望者が3900世帯もあるのに、市の整備計画は3000戸と繰り返すばかりで、募集を始めようとしています。そもそも不足させた状況で、選考する、優先順位をつけるというのは、「誰を切り捨てるか」ということです。とりわけ、「震災時仙台市内に居住していた者を優先する」というのは、市外からの避難者、仮設住宅入居者を追い出す行為ではないでしょうか。「復興公営住宅は、希望者全員が入居できるよう整備する」と市長が被災者に約束をし、募集を行なうべきですいかがでしょうか。
被災地域のコミュニティを再建するために、津波地域やその集団移転先に復興公営住宅を希望者のニーズに応じて整備することも、もっと積極的に行なうべきです。折立など宅地被害の地域でも自力で住宅再建が果たせない被災者が多くいらっしゃいます。その方々の入居する復興公営住宅が、自力再建をする住民といっしょにコミュニティを構成できる場所につくられる必要があります。自力再建を果たせない方の宅地を買い上げれば用地は確保できます。仮設住宅での今のコミュニティを維持できるよう、仮設住民と専門家が復興公営住宅のプランをつくり事業募集に応募しました。このようなプランも活かして、3000戸では不足する部分の整備計画を早急に持つことを求めます。伺います。
住宅再建への仙台市の支援策がまだまだ足りないのは明らかです。これまで、行なってきた施策を見直し、もっと拡充する、使いやすくする努力が求められています。
仙台市の被災の特徴として宅地被害の大きさがあります。中程度以上の被害のあった宅地は5728宅地、そのうち造成宅地滑動崩落緊急対策事業など公共事業として復旧するのは2521宅地、44%です。それ以外の3207宅地には、擁壁の復旧工事に助成が出る独自支援策を市はつくりました。しかし、この制度の申し込みは594件しかありません。
原因はいくつかあります。一つは、対象が宅地被害そのものではなく、擁壁に限定されていることです。3207宅地の被害は様々なのに、適用範囲が狭すぎたと思われます。
また、「100万円をこえる工事費の9割を助成する」という制度設計なので、宅地被害を受けた世帯の経済力がある程度ないと手をつけられないで放置されてしまうという問題です。公共工事での自己負担分1割については、経済状況に配慮した減免が行なわれています。独自支援策にも同様の配慮が必要です。
市は、住宅建物の再建支援は被災者生活再建支援金だとし、宅地被害については「危険防止、安全確保」を理由に制度をつくりました。こういった整理が、被災実態と住宅再建への被災者の困難から制度が離れてしまう要因だとも言えます。宅盤への被害で、家が傾いてしまった場合の修復工事はどちらの制度からも見放されています。震災から2年半たった現時点で、本来の目的である被災者の住宅再建支援に役立っているかという視点で改善を図ることが必要です。私たちは、先の議会に、住宅再建の総合的な支援制度を提案しました。市当局としても、知恵と予算を大いに注いで、住宅再建支援を進めることを求めます。いかがでしょうか。
復興の妨げとなる悪政が安倍政権によって次々と押し進められようとしています。8月6日に政府の社会保障制度改革国民会議が報告書をまとめ、内閣は21日に公的介護・医療・年金・保育の諸制度を大改悪していく手順を定めた「プログラム法案」骨子を閣議決定しました。
介護では、要支援は保険から給付を受けられないようにする、施設利用は要介護度3から、現在1割の利用料を所得によって引き上げるなどを盛り込んだ法案を来年度に提出し、2015年度から実施するとしています。
医療では、来年度70歳から74歳の患者負担1割を2割に引き上げる、さらに今でも不足している病院のベッド数を削減する法案、国民健康保険を県単位に広域化する法案を矢継ぎ早に出す計画です。
年金もマクロ経済スライドで毎年年金支給額を減らすこと、税金の公的年金等控除を削ることで課税強化する考えです。
保育は、株式会社の参入を促進する「待機児童解消加速化プラン」、行政の責任を後退させる「子ども子育て新システム」を2015年から実施するとしています。
後先を考えないで財界のいいなりに社会保障制度を全面解体する、まさに暴走です。このような悪政の先に、被災者の生活再建や明るい仙台市の未来像を展望することができると市長はお考えでしょうか。きっぱりと国に反対の意思を表明すべきです。もう「国会での議論を注視していく」などと言い逃れることは許されません。いかがでしょうか。
社会保障制度改革国民会議の報告、政府のプログラム法案を見れば、「消費税の増税は社会保障充実のために必要」との主張は全くのウソだと明白になりました。奥山市長が繰り返し増税容認の発言をしてきたことの責任が問われます。だからこそ、被災自治体の長として、来年度からの8%への引き上げは行うべきでないと、大奮闘するべきです。仙台市の経済状況調査でも景況は下降しています。市税収入が増えたなどの指標も実態は増税によるもの市民の所得は落ち込んだまま、多くの中小業者も赤字から脱却できていません。消費税の増税が景気を谷底に突き落すことは、誰が考えても明らかです。アベノミクスの空評判だけで増税実施の判断は下すべきでないと考えます。選挙中も市民・被災者の意見・実情を聞いたという市長は、増税反対の立場に立つべきです。いかがでしょうか。
オリンピックの2020年東京開催が決まりました。安倍政権が国土強靭化と言って、全国で大型公共事業をあおることが、被災地の復興の進捗に影を落としています。それに加わえて、オリンピックによって復興が後回しにされることや、オリンピックを口実に新たな公共投資に県や市が走ることがあってはなりません。政府にとって、震災からの復興を責任を持って果たすことが最大の仕事です。そのことを繰り返し強調することが、被災自治体の長としての役割であることを指摘して、第一問とします。ご清聴ありがとうございました。
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