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2015/09/04

仙台市で行われている放射性物質に汚染された牧草・ホダ木の焼却処理について、日本共産党仙台市議団の声明を発表しました

 日本共産党仙台市議団では、以下の声明を発表しました。
 また、同様の内容で、奥山仙台市長あてに申し入れを行う予定でいます。

 住民・市民団体から説明会を求める要望が出た時だけ対応するのではなく、仙台市が市民の不安にこたえて誠実に取り組むべき課題です。

 

声 明

市民の理解を得ていない「放射性物質に汚染された牧草・ホダ木の焼却処理」の即時中止、焼却によらない管理を求める

            201594日  日本共産党仙台市議団

 仙台市は、福島第一原発事故により放射性物質(主に放射性セシウム)に汚染された牧草・ホダ木について824日から市内3つの清掃工場で焼却処理を行っている。7月に行われた試験焼却の結果で「安全性は確認できた」として、市民向け説明会も、工場周辺住民への説明会さえ行わず強行されたものである。

 日本共産党市議団は、焼却処理を即時中断し、市民説明会をかさねて納得を得るまで焼却を行わないよう強く求める。また、福島原発事故由来の放射性物質をレベルに応じて管理することこそ、市民の健康と安全を守る道であるとの立場から、焼却処理を行わず管理する方策を検討すべきだと考える。

試験焼却の結果では「安全性が確認された」とは言えない

 市は、713日から17日までの5日間に、汚染された牧草45ロール、15.7t、ホダ木2740本、21.2tを今泉、葛岡、松森の3工場で試験焼却を行った。その時の、各種測定値を公表している。試験焼却について報告された6月の市議会経済環境委員会において日本共産党市議団は、煙突出口での空間放射線量の常時測定を行わなければ、放射性物質が環境中に拡散していないと立証することは出来ないと指摘し、測定項目の検討を求めたが、実行はおろか検討さえされていない。
 
 放射性セシウムは焼却して消えてなくなるわけでも、放射能がなくなるわけでもない。投入された汚染物に付着していた放射性セシウムが、「大気中に拡散しなかった」と立証するためには、投入されたものがすべて焼却灰として残っていることを示さなければならない。これは相当困難である。市の測定は、「焼却灰もほとんど数値が変わらなかった」としているわけで、市民の安心にはつながらない。
 
 バグフィルターをとおった後の排気ガスを測定しても「放射性物質は検知できなかった」と市の発表である。しかし、環境省が定めた気体中の放射性物質を水に吸着させるこの測定方法では、検知できないと専門家から異論が出ている。なぜ、空間放射線量を同時並行で測定しようとしないのか疑問である。

 試験焼却の結果を市民に説明しても、焼却による大気中への拡散についての不安は解消できない。一番いいのは、焼却しない方法を検討することである。

焼却は何のために行うのか、説明不能の市当局

 市は8000ベクレル未満は一般ごみとして処理してよいと言う法律があるから焼却するのだという。一般に焼却することによって水分や炭素が飛び容積が減る、埋め立て地の節約になると言う効果がある。放射性物質を管理する立場からも、管理しやすいように減容することは考えられる。しかし、含まれる放射性物質は減るわけではないので減容すれば濃縮されたことになり注意が必要である。今回の場合、一般ごみに混ぜて燃やす、牧草・ホダ木の割合は1%未満にするとしている。100tの一般ごみに、1tの汚染物を入れて燃やすと、燃え残った焼却灰とフィルターでとらえられた飛灰は約15tになる。1tを管理すればよかったのが、15倍に対象が増えることになる。放射性物質として管理するための方策ではないことが明らかである。

混ぜて最終処分場に埋めたのでは取り返しがつかない

 市はその灰を、石積の最終処分場に埋めるとしている。最終処分場には雨が降り埋められた灰から放射性セシウムが溶け出す心配が残る。市は、「サンドイッチ状に土の層があるため溶けだしたセシウムはそこに吸着をされるはず」「放流水の測定を月一回やるのでもしも出たらわかる」「ゼオライトで吸着をする」と言っている。
 
 一旦、放射性物質が放流水に出だしたら、そのあと何十年も延々と放流水の処理を続けなければならない。後世に責任を持った管理こそ必要である。

焼却せずに管理する方法を検討しモデルを示すべき

 放射性セシウムが有機物と結びついて水に溶けやすい今の状態から、化学的に安定し水に溶けにくい形に「処理」して、何十年と管理することが大切である。これらの汚染物から出る放射線は数10センチの土で出てこない、放射性セシウムが水に溶けたり流れ出たりしないようにコンクリートなどで容器をつくり、さらに外側にコンクリートの部屋があれば、「もしも」容器から漏れ出しても検知し、容器の交換や補修を行える。国と東電は、こうした「処理」と「管理」に必要な、人と費用について責任を果たすべきである。

 栗原市は、放射性物質で汚染された稲わらなどを焼却せずに「たい肥化」する試みを行うとしている。焼却に限らず、どのような方法がよいのか、大学などの専門家の意見もよく聞いて検討することこそ政令市仙台市のやるべきことである。原発事故補償の安上がりと責任逃ればかり考える国の言いなりではなく、被災自治体でのリーダーシップを仙台市は果たすべきである。

一、仙台市は、焼却処理を即時中止し、周辺住民をはじめとした市民への説明会を開催せよ。

一、仙台市は、焼却によらない処理を行い、管理する方策を検討せよ。

                          以上

 

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2015/08/12

放射性物質に汚染された(8000ベクレル未満)牧草・ホダ木の焼却について

 福島第一原発事故により汚染された、仙台市内の牧草・ホダ木は、8000ベクレル未満だったため国は引き取らず、自治体も責任を持った対応をしない中、被災した農家が保管させられていました。
 国は、国の費用で、自治体にゴミとして処理してよいと方針を出したため、仙台市は市内にある牧草:327トン(656ロール)、ホダ木:245トン(35000本)を焼却する方針です。

 試験焼却(7/13~7/17)のデータが昨日公表され、「安全性が確認された」として8月24日から本格焼却を行うとしています。

Bokusouhodagi2__1_318x450

仙台市の発表資料PDFはこちら

試験焼却のお知らせ 「bokusouhodagi.pdf」をダウンロード

本格焼却実施のお知らせ 「bokusouhodagi2.pdf」をダウンロード

試験焼却の測定結果 「shikensokutei.pdf」をダウンロード

 これに対して、8/12 脱原発市民会議のみなさんが記者会見を開き、①地域住民への説明会の実施、②環境影響調査の実施、③本格焼却の延期と中心の検討を市に求めること、市民による周辺地域の空間放射線量測定(事前)を行うことを発表しました。

Kisyakaiken20150812_450x338 私は、昨年12月議会で、この問題を取り上げ質問しました。国が8000ベクレル未満の「処理」に費用負担をすることになったのは1歩前進です。しかし、依然として放射性物質で汚染されたものを「ゴミ」として扱い、「処分する」としているのは問題です。たとえ濃度が薄くても、原発事故でばらまかれた放射性物質を生活や環境にできるだけ影響を与えないように、「管理」することこそ大切です。

 一般ごみと混ぜて焼却するのでは、周辺の地域にその一部が拡散するのではという心配は当然です。試験焼却での測定も、市民を安心させるようなものではありません。焼却して、管理すべき対象が20倍にも膨らんでしまう矛盾もあります。焼却しないで管理する方策を検討すべきです。

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2014/10/24

福島原発事故由来の放射性指定廃棄物 仙台市内にも存在!

 福島原発事故で宮城県内にも放射性物質が降りました。稲わらが汚染され牛のえさとして全国に出回ったため騒ぎになりました。空間放射線量が高い場所では、除染のため取り除かれた土、水道や下水道施設の浄化槽の汚泥など今でも高い放射能を持っている廃棄物があります。

 国は、そのうち1キログラムあたり8000ベクレルを超えるものを「指定廃棄物」として、国が処分するとしています。しかし、そのための最終処分場ができるまでは引き取らない、その間は今持っている自治体や事業者、個人が保管する責任を負わされています。

 「仙台市には指定廃棄物は確認されていない」と2012年12月12日に、議会での質問に市は答弁していました。今年9月の議会で「0.2トン存在する」と答弁をしたため、この間の経緯を私は質しました。(2014.10.7)
議会中継録画10/7  総括質疑    花木則彰議員
http://www.sendai-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_contents&inquiry_id=2772&

 市は、2012.12.12に「仙台市には指定廃棄物はない」と答弁した直後の12.20には、環境省から「市内の事業者が0.2トン保管をしている」と情報提供されていました。しかし、市議会に知らせることもしない、現場を確認することもしない、なぜ市内に高い放射性廃棄物が出たのか、周辺の地域でもあるのではないかなどの分析もしないでこれまで放置していました。

 とりわけ、「国の情報なので国の許可を得なければ公表も議員に知らせることもできない」としていることは重大です。市民の安全にかかわる重大な情報を隠すという宣言です。特定秘密法での原発情報隠し、事故隠しの先取りともいえます。このようなことは許せません。権限があろうとなかろうと、現在の保管状況が適正なのか確認し市民に知らせるべきです。

 無責任な対応は、国も県も同様です。県議会では、県内市町村別の保管量の把握が実態と大きく食い違っていること、指定廃棄物としての申請を県も自治体も責任を持って行っていない実態が明らかになりました。それでいて、「最終処分場」の候補地選定だけは地元の合意もなしに強行されているのです。指定廃棄物の総量がどのくらいあるのかさえ、あいまいな中で処分場の設計などできるはずがありません。
 ただちに、国は、責任を持って福島原発事故由来の放射性廃棄物がどこにどれだけあるのか調査し、仮置き状態の管理も行うことが求められます。(表は県内の市町村ごとの保管量一覧)

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2014/07/17

川内原発 「新基準適合」≠「安全」 もう国民はだまされない

 

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 昨日、原子力規制委員会は薩摩川内市にある川内原発の「新基準適合」を事実上発表しました。火山噴火の確率が小さいからとか、噴火しそうだったら燃料を取り出すとか、事故時の避難計画も周辺自治体は対応できないでいるなど、おかしな話のオンパレードです。

 そもそも、「新規制基準に合格すれば再稼働へのGOサインだ」と安倍内閣が考え宣伝しているのが大間違いです。この点で、原子力規制委員会の田中俊一委員長のこの発言は「ある意味正しい」。
 福島第一原発事故で、原子力安全委員会は解体されたが、再編された組織は「原子力規制委員会」と、原子力を規制するための委員会であるかのような名前になりました。しかし、それでも、国民・住民の安全のための組織だとは名乗れなかったのです。
 また、そこが作った「新基準」も、「安全基準」とは言えず、「規制基準」となりました。いくら頑張っても、「こうすれば原発は安全だ」と言える基準など作れなかったのです。

 福島第一原発の事故収束もできず、事故の詳細の解明、原因の究明、防止策の技術的進歩がなければ、本来「新基準」など作りえないのです。「安全とは言えないけれど、このくらいは電力会社は改善しないといけませんね」という程度の「新規制基準」です。

 政府と電力会社のだましの手口に、自ら利用されながら、後で国民的な非難にさらされるのを嫌って上記の田中委員長の発言です。

 安倍首相をはじめ原発推進勢力には次の単純な質問をしましょう。
 「新規制基準に合格すれば安全な原発になるのですか?」と・・・
もし「そうです」などと答えたら反撃しましょう。規制委員会の委員長が「安全だとは申し上げない」と言っているのですから。ごまかすようなら、ごまかしを許さず、単純な質問ですからYESかNOか、迫りましょう。

 川内原発再稼働に反対する運動に、全国から連帯して原発再稼働は絶対に許さないとの声を上げましょう。

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2013/06/08

「南吉成小・学校の森」と「青陵の森」

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 吉成市民センターで開講している「森守ボランティア養成講座」(5/23~6/20全5回)に参加しています。6/6には、仙台市立青陵中等学校(中学から高校の一貫校)にある「青陵の森」を見に行きました。

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 ここは、禿山だったところから自然にもどって60年くらいの森。仙台女子商業高校がこちらに移転し平成9年に女子商80周年を記念して遊歩道やプレートなど整備がされ、その後女子商がさらに泉区に移転、青陵中等学校となり平成21年に「青陵の森」として再度手を入れ、外部にも開放するようになったところです。

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 広さも12400坪あり、高低差もあり、小一時間の散策で一汗かきました。60年なので、太い樹でもΦ30cmほどですが、できて10年の南吉成の学校の森とは全く違ったものです。

 最初の整備も大変だったと思いますが、今毎週手入れをされている「愛好会」の方々の苦労も聞きました。倒れた樹を処分したり、間伐、長い距離の遊歩道を歩ける状態に保つ、またイベントなどでの活用もされています。

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 南吉成の学校の森は、2002年に市建設局の予算を使って、森の設計、ワークショップを重ねて、子どもたち、地域住民で木を植えました。その後「南吉成小・学校を森にする会」をつくり、維持・管理だけでなく活用した企画も続けてきましたが、メンバーの世代交代が難しくなり、昨年、学校ボランティアの呼びかけがなされました。今回は、市民センターの講座として、森守ボランティア養成講座が開かれ、受講者の方から学校ボランティアに協力していただける方が増えることを期待しています。5/30に、実際に剪定作業を、森林アドバイザーのみなさんに実技指導をしてもらいました。ずいぶんすっきりしました。

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 権現森への窓として、学校の森が育っていけるよう、地域のみなさんと力を合わせていきたいと思います。

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2012/11/26

昼間の脱原発集会も楽しくていい!

11/23は、午前中、熊ヶ根の仙台西市民センターまつりへ。建て替えられてはじめてのまつりで、地域の多くの皆さんの参加でにぎやかでした。

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午後は、昼間の脱原発集会に。いつもは、夕方、真っ暗な中ですが、この日は、シンガーの苫米地サトロさんも山元町から参加してにぎやかな集会になりました。普段は同時刻に東北電力本社前で「スタンディングアクション」をしている方、シュプレヒコールが苦手な人は「サイレントアピール」でという方、小さなお子さん連れで夜には参加しにくいお母さんなど、参加者の幅も増えました。久しぶりに、デモも300人を超えたそうです。

一番町を進むアピール行進に、手を振ってくれる方も多数。リズムに合わせて、踊ってくれる若者や、高齢者の方々もニコニコして声援を送ってくれました。

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総選挙が近づいて、角野達也さんの取材に来たTVも含めて取材がありました。
「脱原発」勢力が国会で多数を占めることは大切な争点です。しかし、ただ口先や政党の名前に付ければよいというものではありません。地震国日本にこれだけ多くの原発を作ってきたのは、アメリカと財界の思惑にそって、安全神話に政治自ら浸っていたからです。アメリカ言いなり、財界中心の政治を変える断固とした立場がなければ、選挙後揺らぎます。
一貫して原発反対を貫いてきた日本共産党を伸ばしてこそ、幅広い勢力が団結できる核になることができます。

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2012/09/16

仙台は自然が身近な街です

 今日は赤旗 囲碁・将棋大会(仙台大会)。市民会館での開会式にあいさつでお邪魔しました。昨年は、震災で開催できなかった仙台大会・宮城県大会です。日常を取り戻す、ひとつのシーンだと思います。

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 駐車場に向かいながら、市民会館裏の広瀬川に目をやると、渓流釣りをする人。鮎も釣れるポイントでもあります。バックは、青葉山。

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 仙台駅から徒歩で20分でやってこれる場所ですから、「自然が近いなあ」と改めて感じました。この山を越えたところにある我が家などは、近いどころではありませんが・・・。

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2012/06/07

復興に名を借りた大企業奉仕か?仙台・エコモデルタウン

 仙台市は、復興公営住宅176世帯と組合施工区画整理事業で分譲予定の戸建て住宅16戸にスマートグリッドを導入する事業を申請し採択された。総務省の補助事業「被災地域情報化推進事業」のスマートグリッド通信インターフェイス構築事業で事業費は24.2億円、1/3の約8億円が総務省の補助金、残り約16億円が震災復興特別交付税で充当されるといいます。(下の図のPDFファイル「smrtg.pdf」をダウンロード

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 実施する事業としては、
・復興住宅と一般戸建住宅に、系統電力、都市ガス、再生可能エネルギーによる供給ベストミックスを試行。
・復興住宅内で、建物間(4棟)の電力融通。
・電力需給状況の可視化システムと、需給調整にポイント付与などシステム化。
・災害発生時のエネルギー供給可能な仕組み整備。

 事業費の大枠をみると
・設備費    7.2億円
・付帯工事費 1.9億円
・諸経費    3.7億円に対して

・プログラム開発経費が 11.3億円と突出しています。
このプラグラム開発費の内訳資料を求めると

復興公営住宅(176世帯)用プログラムで約 3億円
① エネルギーの使用状況が見えるように サーバープログラム開発
② 端末(タブレット)
③ 料金徴収用プログラム
④ エネルギーマネジメントプログラム開発

戸建て住宅(16戸)用プログラムに 約 7億5千万円
① 端末(スマートフォン)用プログラム開発
② サーバープログラム開発
③ 家庭用 直・交双方向コンバータープログラム(変換効率アップ)
④ スマートメーターのプログラム開発
⑤ 燃料電池用通信機能プログラム開発

そのほか、顧客データを格納するデータベース開発に約 2千万円としています。

復興住宅に住む被災者の電気代が安くなるのか?というと「高くならないように、普通の電気代程度となるようにする」
戸建て住宅の方に集団移転するのか?というと、「こちらは一般の住宅で移転対象地域にもなっていない」
どこが、「復興事業」なのかよくわからない。

10億円以上も開発費をかけて出来上がったプログラムは、誰が所有するのか?開発に手を挙げた企業で別会社を作り、そこが所有するとしています。

結局、復興に名を借りて、国がNTTなどに「開発費」を税金で出してやる事業にしか思えません。

「今後、実施主体を募集・選定し、民間主導で事業を推進する」
地元の事業者も、被災者もそっちのけの「復興事業」が次々出てきそうです。

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2012/06/03

放射性物質で汚染された震災がれきの焼却・・・現状は?

 仙台市のごみ焼却施設(震災廃棄物仮焼却施設を含む)では、どのような放射線の管理が行われているのか。市のHPでデータが公表されています。4月分の測定データ(PDF「4img514171405.pdf」をダウンロード)。

行っているのは、4つの測定

 ①灰積み出し場と敷地境界での空間放射線量
 ②灰の放射性物質濃度:焼却灰(主灰)、集じん灰(飛灰)、またはその混合灰
 ③排ガス中の放射性物質濃度
 ④放流水の放射性物質濃度

①は市内のほかの地域と変わりのない値になっています。②はそれなりの高い値、③④は未検出です。周辺に放射性物質が広がっているデータではありません。②も環境省の言う8000㏃の2割弱で管理型処分場に埋めるので「問題ない」というのが市の見解です。

バグフィルターでの放射性セシウムの捕捉率は

 しかし、心配している市民や、がれき受け入れを巡って問題になっている「バグフィルターでほぼ100%の吸着ができるのか?」という疑問に答えられるデータになっているのか考えてみたい。

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 ③の排ガス中の放射性物質濃度の測定では、検出限界1.56~2.3㏃/㎥で不検出となっている。しかし、排ガスを直接検出器に入れて測定できるわけではない。環境省の「放射能濃度等測定方法ガイドライン(2011.12)」「gaid1.pdf」をダウンロードに沿って測定されているとすると、検出器(ゲルマニウム半導体検出器)に入れるのは、排ガスを通したろ紙とドレン部の水である。

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 果たして検出限界2㏃というのは、元の排ガス中の濃度に換算されているのか、それとも単純に試料として入れられているろ紙・水の濃度なのか。調べてみなければならない。
 どのくらいの排ガスを通したかは、15L/分以下×240分で合計が3000L程度としている。1000Lで1㎥なので、試料にはその3倍分の放射性セシウムが含まれていることになる。排ガス中の濃度が2㏃/㎥だとすると、6㏃。試料の容積は水約2Lとろ紙も約2Lなので、水1㎏(1L)当たりの濃度は1.5㏃を検出できればよいことになる。きちんと、どれだけの排気ガスを通したのかデータがあるのだろうか。

 ③で測ったのは、バグフィルターを通った後の排気中の濃度。ごみを燃やしたガスに、外から空気を入れればいれるほど、濃度は薄くなる。大事なのは、外に出ていく放射性物質の総量だ。濃度×排ガス総量が必要なのに、排ガス総量なんてデータはないのだろう。

 バグフィルターでの補足率もこれだけでは出せない。本来の意味からすると
  集じん灰に含まれる放射性物質の量   ×100%         
がれきの放射性物質量-焼却灰の放射性物質の量

いずれにせよ、がれきも、灰も、放射性物質の濃度にばらつきがあるため、正確に出すのは困難だ・・・「バグフィルターで99.9%除去できる」した環境省の根拠は何なのか?私も、ほとんど補足できるとは考えるが、仙台市の実際のデータで出せればよいと思ったのだが無理そうだ。

焼却灰・集じん灰の処理方法に不安

 もう一点の問題は、燃やしたがれきの重量の約半分が「焼却灰」として残り埋め立てに回される、また「集じん灰」は特に放射性物質の濃度が高くなるが、その処理方法が適切なのかどうかという問題。
 がれきの中に薄く分散していた放射性セシウムを、せっかく焼却・集じんで集めたのに、きちんと管理しなければまた広がってしまう。環境省は「8000㏃/㎏未満は、管理型最終処分場に埋め立てていい」としか言っていない。本当に濃度だけで切り分ければよいのか?

 がれきは焼却しても約半分は焼却灰として炉の中に残る。濃度は低くても総量は多い。集じん灰は、仙台でも1800㏃/㎏を超えたデータもある。泥に吸着したセシウムは、水に溶けださないが、灰になっている放射性セシウムは塩化セシウムになっているといわれる。この形では、水が来ればすぐ溶け出してしまう。管理型最終処分場の排水に、放射性セシウムが出てきたとき、どう処理するのかも何も決まっていない。
 少なくとも、水に溶けださないよう、泥と混ぜて吸着させるとか、ドラム缶などに入れて埋めるとか・・・手立てが必要なのではないか。

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2012/05/23

がれき広域処理問題 北九州で逮捕者…無用の対立を持ち込んだのは誰か

 宮城県石巻からのがれき受け入れを巡って、北九州市で抗議の市民が逮捕されたというニュースが流れています。この問題では、受け入れを是とするのか否とするのか、求められた全国各地の住民の間、行政と住民の間、被災地と各地の間で、対立が生まれ問題が複雑化しています。

 これは、どちらかが正しく、一方は間違っているという対立ではなく、別の形の矛盾が持ち込まれたものです。根本の矛盾の原因を明らかにして、解決の方向を示さなければなりません。

 「がれき処理問題」と、「放射性物質の処理問題」2つの側面をきちんと整理

震災がれきの処理という側面

 たとえば、原発事故がなければ、単純に「震災・津波によって発生したがれきをどう処分するか」を考えればよい課題です。がれきの処理能力や方法を考え、被災地以外で活かせる施設や能力があれば協力してもらうことも大切です。復旧・復興のために早く処理するという側面と、がれき処理自体を地域の雇用の受け皿として地域経済の再生のステップに位置付けることも大切だと思います。とりわけ、遠くまでがれきを「運ぶ」ことのコストと、それで儲けようとする被災地以外の大きな企業の存在を考えておくべきです。
 宮城県は、21日県内のがれき総量1800万トンのうち、県が処理をしなければならない分は減少する見込みだと発表しました。(1107万トン→676万トン)県外自治体に要請する広域処理量も減る見通しです。(354万トン→114万トン ※根拠はあやしい、もっと減らせるのでは?) [河北新報5/22付より↓]

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 一方で岩手県は、がれき総量は525万トンの見込みから90万トン増え、広域処理量も56万トンから119万トンに増えるとしています。
 つまり、震災から一年たってまだ、被災地域内でどこまでやれるのか十分検討されていないということです。

震災ゴミは一般廃棄物 だけど中身は産業廃棄物

 震災ゴミは、一般廃棄物として行政に処理が任されます。しかし、その中身は、建築廃材などと同様、産業廃棄物の処理方法で処分すべきものが大半です。一般廃棄物処理の仕事(家庭ごみの収集・焼却・埋設、ビン・缶などの選別)しか扱ってこなかった行政にとって、途方に暮れる課題であったことは事実です。
 そこに実際は産廃処理のノウハウもないゼネコンが、県に助け舟を出し、仕事が丸投げされた・・・今、起きている困難・矛盾の一つはここにあります。ゼネコンの作った処理計画は、大量のがれきを遠くへ運んで処理する、運送費に大きな費用をかけそこで儲ける、という中身でした。その数字を、県や環境省がそのまま「広域処理が必要な量」として発表していたのではないか・・・今回の見直しで、さらにその疑いが強まっています。
 仙台市では、市域内のがれき処理を市で行うことにし、ゼネコンではなく産業廃棄物処理業者に委託をしました。がれきを仮置き場に運ぶ時から、分別を行い焼却するもの、埋め立てるものをできる限り減らす、危険なものの管理を徹底する方法がとられています。
 宮城県内でも、石巻ブロックを除けば、それぞれの地域内での処理が可能だとされています。広域処理を、お願いする前に、域内処理、県内処理、東北内での協力についてもっと検討を深めるべき課題だと思います。参考 赤旗4/23付「宮城県ゼネコン丸投げ がれき処理進まず」

放射性物質としての側面

 仙台市のがれきの放射性物質の濃度は高くありません。しかし焼却施設で燃やせば、その飛灰(フィルターでキャッチされたもの)は1500㏃程度まで高くなります。濃縮されたものをどう扱うのか、危険を広げないように、きちんと管理するよう方法を定めるべきです。
 本来原子力施設などに閉じ込められていなければならない放射性物質が、大量にばらまかれてしまった責任は、東京電力と政府にあります。がれき処理に対する、困難や放射性物質の処理に関する責任も、東電と政府が負うべきものです。
 放射性物質の人体への危険性については、私は繰り返し発言をしていますが、「安全か危険か」で済むものではなく、それぞれのレベルによってどのくらいの危険度なのか理解し、それぞれが判断できる方向に進むべきだと思います。(これもばらまかれてなければ必要のないことですが)
 放射線管理の立場からは、分散させない、集中してしっかり管理することが原則です。わざわざ汚染されていない地域に持っていくことは基本的には避けるべきです。どうしても、必要な場合は、処理方法、管理方法が徹底されることと、危険度の理解が十分できて住民が自ら判断できる状態にしなければなりません。これは、被災地でも相当困難なことですから、他の地域ではほとんど不可能だと感じます。
 いずれにせよ、広域処理が本当にどれだけ必要なのかあいまいなまま、住民理解を得ようとしても不毛な対立を生むばかりです。

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